2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650053
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堂丸 隆祥 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (10100223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 邦雄 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (50090452)
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Keywords | 有機EL / LED / ポリシラン / ポリメチルフェニルシラン / ポリジメチルシラン / カラー発光 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、ポリシランを用いたEL(Electroluminescence)発光素子作製の最適条件のまとめと、RGBシンチレーターを用いたカラー発光の試みを行った。具体的な結果は以下の通りである。 (1)EL発光効率を高めるためには、電子、正孔のバランスをとる必要がある。ポリシランの場合は、常に正孔注入効率が高いため、電子注入の向上および正孔注入の抑制が求められている。電子注入についてはポリシラン層と陰極の間にSiO_2膜を挿入することにより注入効率が約8倍向上することを既に報告した。そこで、今回は正孔注入の抑制を試みた。ITO陽極表面にAlを蒸着し、空気酸化によりAl_2O_3膜を作製する。その上に、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)をスピンコートし、陰極を付けてEL素子を作製する。この素子の発光効率は、Al_2O_3膜の膜厚が5Åのときに最大で約2.5倍の向上が見られた。 (2)発光効率は良い(約60%)が溶媒不溶のポリジメチルシラン(PDMS)の可溶化を試み、光学特性を調べた。PDMSを圧力容器に入れ、酸素圧10MPaでγ線を10^6Gy照射した後THFで抽出し、可溶化PDMSを得た。得られたPDMSは、分子量(Mw)約3400という比較的大きな分子であり、UV吸収のλmaxは286nm、PL発光ピークは330nmであった。この特性は、レーザーアブレーションによるPDMS薄膜の光学特性より良好であることが分かった。 (3)PMPSを用いてカラー発光素子を作製した。ITOガラス上にPMPSをスピンコートしその上に陰極(Mg:Ag)を蒸着し、最後にガラス上に色素を塗布した。色素として赤はスーパーケイコウ、緑はクマリン481、青はクマリン440を用いて3原色発光に成功した。
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