2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650056
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
工藤 成史 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (70308550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曲山 幸生 独立行政法人食品総合研究所, 主任研究官
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Keywords | バクテリア / べん毛 / レーザー暗視野顕微鏡 / 流体力異方性仮説 |
Research Abstract |
微小世界の生物、バクテリアの運動を観測することにより、その世界の物理的特徴を明らかにすることを目指し、実験的、理論的研究を進めた。 実験的研究としては、レーザー暗視野顕微鏡を用いて、回転中のべん毛形状が変化しているかどうかを調べた。べん毛の直径が20〜30nmしかないことに加え、その回転が非常に速いため(実験対象としたビブリオ菌の極毛の場合、室温で毎秒700回転程度)、従来の方法ではべん毛形状を記録するのは困難であった。本研究では、レーザー暗視野照明と、CCDカメラの電子シャッターを併用することにより、この困難を克服することができた。特に今年度は、べん毛らせんピッチだけでなく、らせん半径を測定する方法を確立することができた。その結果、ビブリオ菌のべん毛は、高速で回転中も、数%程度の変形しかしていないことが明らかになった。遊泳中のべん毛変形による推進効率変化は数%以下と見積もられ、べん毛が安定なスクリューとして機能していることが確かめられた。 理論的研究としては、バクテリアが遊泳する環境の粘度を高分子添加により上げたときに遊泳速度が上昇する現象を説明するために、流体力異方性仮説に基づくモデルを構築した。このモデルは、べん毛に働く流体力の、法線方向成分と接線方向成分の比率が、高分子濃度に依存するという仮説に基づくもので、高分子添加に伴う単毛性細菌の遊泳速度上昇を説明できた。さらに今年度は、菌体自身がらせん型をしたスピロヘータやらせん菌に対してモデルを拡張し、高粘度領域まで遊泳速度が上昇し続けるという現象の説明を試みた。
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Research Products
(1 results)