2002 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光による遮熱コーティング膜の残留応力分布解析と強度評価
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13650078
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 賢治 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (30154537)
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Keywords | Thermal barrier coating / residual stress / Synchrotron X-ray |
Research Abstract |
X線侵入深さを大きい高エネルギー放射光X線を利用することで,遮熱コーティングのジルコニア・トップコートを透過して,ボンドコートの回折を十分に測定できることが実証できた.これを応用して,ボンドコートの内部応力と温度の関係を実際に試みた.遮熱コーティング試験片を1473Kまで加熱できる高温加熱装置を試作した.室温,773,1073および1373Kにて大気中で加熱してボンドコートの内部応力を測定した.その結果,室温では,500MPaを越える引張りが生じるが,加熱温度が1073Kを越えるとボンドコートの軟化により内部応力が緩和した.ゆえに,ボンドーとの内部応力は,室温から1073Kの熱ひずみによる応力が支配的なものと考えられる.また,ボンドコートの応力測定には,72keVの波長でNi3Alの311回折を使用するのが好適であることがわかった. 一方,高エネルギー放射光により深い領域の応力が測定できる.そのため,面外応力成分(応力1-応力3)を含めた測定が可能である.また,ラボX線(低エネルギーX線)においては,X線侵入深さがごく浅いので,面内応力のみを測定できる.高・低エネルギーX線を併用することで,トップコートのはく離応力が測定できるバイブリッド法を提案した.表面研磨除去しながらラボX線によりジルゴニア・トップコートの面内応力分布を測定した.72keVの高エネルギーX線により,トップコート膜厚を種々に調整した試料で面外応力分布を測定した.両者の分布からトップコートはく離応力の分布を求めることができた.その結果,トップ・ボンド界面に近づくに従いはく離応力が大きくなることが,明らかとなり,トップコートのはく離現象と一致した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木賢治, 田中啓介, 秋庭義明, 川村昌志, 西尾光司, 尾角英毅: "高エネルギーX線によるTBCの残留応用力分布解析"第38回X線材料強度に関するシンポジウム. 99-104 (2002)
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[Publications] 鈴木賢治, 田中啓介, 秋庭義明, 川村昌志, 西尾光司, 尾角英毅: "放射光高エネルギーX線によるボンドコート層の高温内部応力測定"放射光. 15. 347-353 (2002)
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[Publications] 柳瀬悦也, 西尾光司, 楠見之博, 新井和夫, 鈴木賢治, 秋庭義明, 東海博央, 田中啓介: "放射光高エネルギX線を用いたショットピーニング処理した鉄鋼の残留応力分布の評価"材料. 51. 756-763 (2002)
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[Publications] 秋庭義明, 田中啓介, 鈴木賢治, 柳瀬悦也, 西尾光司, 楠見之博, 尾角英毅, 新井和夫: "放射光によるショットピーニング材の残留応力分布測定"第38回X線材料強度に関するシンポジウム. 47-52 (2002)