高強度アルミニウム合金の超音波疲労における疲労特性

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13650096
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 皮篭石 紀雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00117491)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 陳 強 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30264451)
• Keywords: 疲労 / 超高サイクル / 超音波 / 高強度アルミニウム合金 / 破壊機掲 / 繰返し速度

Research Abstract

高強度合金は静的強度に比べ疲労強度はかなり低い。また環境に対する感度も高く使用上注意すべきことは多い。特に最近は、景気低迷と環境保全の立場から機器の長期使用化が進みつつあること、また高速運転される機器の使用が増加していることなどを背景に、10^7回以上の超高サイクル疲労に関する研究の重要性が指摘されているが、それについては明らかでないことが多い。
本年度は、高強度Al合金6061-T6,7075-T6およびNi基超合金Inconel 718を用いて通常の繰返し速度の試験である回転曲げ疲労試験と超音波疲労試験を行い、超高サイクル域におけるこれらの合金の疲労強度に及ぼす繰返しの影響を、応力繰返しに伴う試験片表面状態の観察と破面観察を通じて検討した。
得られた主な結論は以下の通りである。
(1)超音波での疲労強度は回転曲げ疲労に比べ、6061-T6およびNi合金の場合高く、7075-T6の場合ほぼ等しい。(2)き裂発生はいずれの試験でもすべりを起点とした。(3)回転曲げ疲労における破面には、いずれの材料でもストライエーションが観察されたのに対し、超音波疲労の場合、ストライエーションに加え、6061-T6およびNi合金では粒界割れやへき開割れが、7075-T6ではディンプル破面が観察された。(4)繰返し速度の高い超音波疲労の場合、流動応力の増加が疲労強度を高める反面、上述の静的破壊が生じることにより疲労強度は低下するため、結果として疲労強度に対する繰返し速度の影響は小さくなる

Research Products

• [Publications] Q.CHEN, N.KAWAGOISHI他4名: "Ultrasonic fatique strength in Inconel 718"Proc.of 5^<th> Int.Symp.on Superalloy and derivatives. 573-582 (2001)
• [Publications] 大坪, 陳, 燕, 王, 皮籠石: "Ni基超合金の超音波疲労強度"日本機械学会講演論文集. 018-2. 245-246 (2001)