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2001 Fiscal Year Annual Research Report

固体炭素源を用いた2源スパッタリング法による硬質炭化物薄膜の高速成長

Research Project

Project/Area Number 13650097
Research InstitutionHimeji Institute of Technology

Principal Investigator

井上 尚三  姫路工業大学, 工学部, 助教授 (50193587)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小寺澤 啓司  姫路工業大学, 工学部, 教授 (50047594)
KeywordsTiC / 炭化物薄膜 / スパッタリング / 多層薄膜
Research Abstract

スパッタリング法でTiCなどの炭化物薄膜を成長させる場合、金属ターゲットをArと炭化水素の混合ガスで反応性スパッタリングする方法が多く用いられる。しかし、この方法ではターゲット表面上にスパッタ速度の遅い炭化物が形成するため、膜形成速度を大きくすることが困難である。また、反応性スパッタリングでは、いわゆるヒステリシスのために反応ガス流量で反応ガス分圧を制御し難く再現性が悪いという欠点もあり、これらが実用化の妨げとなっている。
我々は、スパッタリング法で炭化物薄膜を成長させる別の方法として、炭素も金属と同様に固体ターゲットのスパッタにより基板上に供給する方法を提案する。本研究では、この方法でTiC薄膜だけでなくTi/C、TiC/TiあるいはTiC/C多層薄膜の形成を行い、周期構造を持たせることによる薄膜の高性能化についても検討することを目的とした。
本年度は、まずTiおよびCの2つのスパッタ源を用いて同時スパッタによるTiCx薄膜の作製を試み、その構造や組成と機械的性質の評価を行った。その結果、薄膜の組成は各ターゲットへの投入電力の比で精度良くコントロールでき、投入電力比Ti : C=1:2の条件においてほぼ化学量論組成を有する結晶性のTiC薄膜が成長することが明らかとなった。また、化学量論組成のTiC薄膜において最も良い機械的性質を示すことがわかった。一方、これらの結果をもとに、交互スパッタリングにより膜厚比1:1のTi/C多層薄膜の作製を試みた結果、1.1nm程度の非常に短い周期構造を有する薄膜を成長させることが可能であることを見出した。この場合、各層はアモルファス状となっていることもわかった。また、この多層膜では、周期が2nmより短くなると硬度が急激に高くなる挙動が認められた。これらの結果の一部は、2001年9月に開催された金属学会においてすでに発表済みである。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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