2003 Fiscal Year Annual Research Report
BN(窒化ホウ素)系コーティング切削工具の開発に関する研究
Project/Area Number |
13650128
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
村川 正夫 日本工業大学, 工学部, 教授 (60129145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 修一 日本工業大学, 工学部, 教授 (60220886)
神 雅彦 日本工業大学, 工学部, 講師 (80265371)
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Keywords | 立方晶窒化ホウ素 / 切削工具 / ドリル / エンドミル / cBN / TiN |
Research Abstract |
本研究では,難削素材の切削や環境負荷が少ない切削に対応する工具としてcBN(立方晶窒化ホウ素)をコーティングした切削工具を提供することを最終目的とした研究を実施した.すなわち,耐熱性に優れるが耐チッピング強度(じん性)が低いという特性を有するcBNを膜形態で切削工具にコーティングすることにより,耐熱性とじん性とを兼ね備えた工具を開発するための基礎研究を実施した.本研究年度においては,まず基礎研究として膜のトライボロジー特性を評価した.すなわち,成膜したcBN膜が切削工具として有効なトライボロジー特性を有しているかどうかに関して,ボールオンディスクタイプ等のトライボロジーテスターを用いてトライボロジー試験を行い評価した.その結果,大気中および実際の工具刃先の環境を模した真空中においても,他の工具と比較して良好なトライボロジー特性を有することを明らかにした.次に,cBNコーテッド切削工具の切削評価を実施した.すなわち,cBNコーテッドエンドミルを製作し,実際に金型鋼に対する切削実験を行い,その有効性に関して評価した.その結果,従来の超硬工具と比較して良好な切削性能が得られることを明らかにしたが,従来のTiAlN工具と比較しても特段に進歩した評価が得られなかった.その原因としては,cBN膜の膜厚および付着力不足によるものと推測できた.そこで最後に,前記のcBNコーテッドエンドミルと同等な性能を有すると考えられるcBN焼結体小径切削工具を製作し,実際に金型鋼に対する切削実験を行い,その有効性に関しての評価を行なった.その結果,同工具により良好な切削性能が得られることを明らかにした.
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[Publications] S.Watanabe, S.Miyake, M.Jin, M.Murakawa: "Frictional Behavior of Cubic BN Films Sliding Against Diamond under Vacuum Environment"表面技術. 55,2. 47-48 (2004)
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[Publications] 後藤勇, 渡辺健志, 後藤隆司, 神雅彦, 村川正夫: "新形状cBNボールエンドミルの開発(第2報)-基本的切削特性の評価-"2004年度精密工学会学術講演会春季大会講演論文集. 2004. 737-738 (2004)