2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 健司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50251351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011131)
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Keywords | マイクロマシン / 摩擦力 / 撥水表面 / メニスカスカ / 水滴 / 動的接触角 / 表面張力 / 粘性力 |
Research Abstract |
マイクロマシンでは、重力などの体積力に比べ、表面に付着した水の表面張力、静電気力など影響が支配的となり、これらが摩擦力を増加させる方向に働く。このため、マイクロマシンの運動制御においては、可動部の潤滑が重要な課題となる。本研究では、撥水表面上の水滴を利用してマイクロスケールに特有な潤滑方法を提案し、耐荷重性、摩擦特性などを実験的に調べた。その結果、以下の知見が得られた。 ・撥水表面上の水滴は,正のラプラス圧力により荷重を支えることができるが、耐荷重は、すきまを広げるときと狭めるときでヒステリシスがあることがわかった。これは前進・後退接触角の差によって生じるものである。また耐荷重は表面粗さが小さいほど大きくなることがわかった。 ・撥水表面上の水滴の摩擦力は、表面粗さが大きく、前進・後退接触角の差が小さいほど小さくなることがわかった。すべり速度が270μm/s程度までの低速域では、摩擦力はすべり速度によらず一定となり、水滴の界面の周長にほぼ比例した。このことから、摩擦力の支配要因は表面張力であることがわかった。一方、すべり速度が1m/S程度の高速域では、摩擦力はすべり速度に比例して増加し、水の粘性の影響を受けることが確認された。 ・撥水表面上の一部に親水部を設けることにより、すべり速度が1.5m/s程度まではすべり面間に水滴を保持できることがわかった。また、4μlの水滴により約30mNの荷重を支えられ、摩擦係数を1/1000程度にすることができることから、水滴による潤滑は微小荷重領域において有効であることが確認された。
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