2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波法を用いた転がり軸受の新しい潤滑診断技術の確立
Project/Area Number |
13650157
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Research Institution | INSTITUTlON Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
竹内 彰敏 高知工科大学, 工学部, 助教授 (30206940)
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Keywords | トライボロジー / 超音波 / 転がり軸受 / 潤滑診断 / 寿命 / 損傷 / 劣化 |
Research Abstract |
本研究では転がり軸受の潤滑診断を目的として,玉軸受の外輪とハウジングのはめ合い面に超音波を入射し,そこでの固体接触面積に応じて反射するエコー高さの変動を基に,軸受の潤滑状態や異常の内容の推定を試みた.最終年度となる平成15年度は、機械装置の転がり軸受に本測定法を適用するための専用の診断ソフトを開発し,軸受の劣化や損傷具合を総合的に判定できる評価システムを構築し、本課題の纏めとした. (1)転動体支持荷重(あるいは軸受荷重)の定量的測定法 予め分かっている軸にかかる装置の自重と,自重を支持している転動体の通過によるエコー高さ比の変動波形の関係だけで,転動体支持荷重とエコー高さ比の較正値を求める手順を組み込んだ、転動体支持荷重推定法を開発した. (2)異常内容の半定量的評価 突発的な増減を示すエコー高さ比の挙動と,そのような異常が発生しなかったと仮定したときの波形との差から,損傷や噛み込んだ摩耗粉の半定量的な寸法推定や異常の発生頻度を,その場で監視可能なシステムを構築した. (3)劣化の進行評価と寿命の兆候の検出 大きな摩耗粉の噛み込みや進展した損傷により発生する顕著なエコー高さ比の変動の推移は、定量フェログラフィーの経時変化と高い相関を持つことが明らかになり、上述の寸法推定と併せることにより、劣化度合いの評価精度の向上を可能にした.また、それらの指標の総合評価から、軸受寿命の予知が可能になるシステムを構築した. (4)転がり軸受の異常診断システム 軸受の常時監視を目的として、上記指標を総合的に評価可能なソフトにまとめ、Visual Basicにより簡便な取り扱いができるようにした、異常診断ソフトのプロトタイプを完成させた.
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[Publications] 竹内彰敏, 木村好次, 若林利明, 石丸 裕, 森 久和: "超音波法による玉軸受の運転異常検出の試み"日本機械学会論文集(C編). 69・687. 3086-3091 (2003)