2003 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性作動液のキャビテーション壊食特性-水道水および鉱物油との比較実験を踏えて
Project/Area Number |
13650162
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Research Institution | MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
風間 俊治 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20211154)
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Keywords | キャビテーション / 壊食 / 生分解性作動油 / 水道水 / 鉱物油 / フルードパワーシステム / 容積式ポンプ・モータ / 環境 |
Research Abstract |
生分解性作動油や水道水は,自然環境との高い調和を図れる.しかしながら,これらの液体を,液圧システムのエネルギー伝達媒体として適用するに当たっては,そのシステムを構成する機器の信頼性や性能に及ぼすキャビテーションならびにキャビテーション壊食の影響を明確にしておく必要がある.本研究では,キャビテーション壊食を効果的に抑制する方策を探ることを念頭に置き,特に液体の種類に基づく影響に着目して,噴流衝突式装置を用いて,その特性や機構を実験的に解明する. 本年度は,前年度までに実施した生分解性作動油や水道水による結果との比較,検討のため,主に,粘度の異なる2種類(ISO VG32およびVG46)の鉱油系作動油を供試液体とした.実験条件は,最高上流圧力18MPa,下流圧力0.1〜0.5MPa,液体温度40〜65±1℃,絞り出口から噴流衝突面までの距離(スタンドオフ距離)10〜30mmなど広範囲に設定した.実験は,最長累計8時間の壊食実験を主に行い,設定時間ごとに試験片の質量測定,試験片の噴流衝突面の表面計測と観察などを行った.その結果,以下の結論を得た.粘度の低い作動油の方が壊食量は多かった.液温が高くなるほど,壊食量は増加した.ただし,液温が低い方が,粘度の違いによる壊食量の差は顕著であった.粘度の違いは,基本的に,スタンドオフ距離に対する壊食量および壊食リング径あるいは最大壊食量を示すスタンドオフ距離などに影響を及ぼさなかった.また,上流圧力およびキャビテーション係数に対する壊食量の傾向も類似であった.
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