2002 Fiscal Year Annual Research Report
オリフィスキャビテーションにおける発光と壊食の相関性に関する研究
Project/Area Number |
13650166
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田部井 勝稲 群馬大学, 工学部, 助教授 (80008466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 紘行 群馬大学, 工学部, 教授 (00008509)
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Keywords | キャビテーション / オリフィス / 壊食 / キャビテーション発光 / フォトンカウンティング / ルミネッセンス / 水撃 / イメージインテンシファイア |
Research Abstract |
すでに本研究によりオリフィスキャビテーション発光流中では銅ロッドの壊食が起こり、発光位置と壊食位置は多少ずれるものの壊食度は発光強度と強い関連性をもっていることを示した。この事実をより複雑な流れ場で検証するために、銅平板上の円柱周りの流れに発生するキャビテーションについて調べた。円柱からやや離れたところに発光現象をイメージインテンシファイアにより確認することができた。しかし壊食はほとんど見られなかった。これは発光領域が平板からやや上方にあること、発光強度は非常に弱いことなどから予想とおりとなった。キャビテーション流をより高速にすることで壊食と発光領域の関係を明確にしてゆきたい。 オリフィスキャビテーション発光は容易に得られるが、流水中での発光は複雑である。そこで水撃波によりキャビテーション気泡を圧壊する方法を発案した。この方法によると非常に高い圧力で気泡を瞬時に圧縮でき、しかも流れはほとんどないという利点がある。実験では100気圧近い水撃圧を発生でき、発光も非常に強くなることが判明した。発光は水撃波面とともに正確に進行していくことがわかった。この結果は管路系での水柱分離とその再結合の検出に利用できるものと期待される。 理論計算は単一気泡に対して、気泡挙動計算とともに発光強度計算を行った。発光に関する非平衡計算結果は熱平衡放射計算結果と大差はなかった。そこで原子の電離を考慮した平衡放射理論を用いて、発光強度の理論的推算を進めた。希ガスの発光計算結果は、従来指摘された熱伝導度だけでなく電離エネルギーも強く影響していることを示した。すなわち電離エネルギーの低いキセノン、アルゴンなどでは強く発光する。一方、電離エネルギーの高いヘリウムでは空気や水蒸気気泡による発光が優勢となり、混入による発光の増大効果はあまりない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 益子俊二, 田部井勝稲, 白井紘行, 高草木文雄: "希ガスを含むキャビテーション気泡の水撃による発光"日本機械学会,ブロック合同講演会-2002宇都宮-講演論文集. No.020-2. 41-42 (2002)
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[Publications] 久保田聖, 白井紘行, 田部井勝稲, 石樽宏, 船津賢人: "空気マイクロプラズマジェット流の空間的放射測定"日本機械学会,ブロック合同講演会-2002宇都宮-講演論文集. No.020-2. 79-80 (2002)
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[Publications] 田部井勝稲, 春山周夏, 白井紘行, 高草木文雄, 西野崇文: "旋回噴流中のマイクロバブル発生に関する研究"日本機械学会,2002年度年次大会講演論文集. No.02-1. 141-142 (2002)
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[Publications] 田部井勝稲, 白井紘行, 益子俊二, 木村忠夫, 高草木文雄, 蜂須賀賢: "オリフィスキャビテーション発光流中の銅ロッドの壊食"日本機械学会論文集. 69・677. 18-24 (2003)
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[Publications] 田部井勝稲, 益子俊二, 白井紘行, 山口修一, 北原和幸: "水撃圧力波によるキャビテーション発光"平成14年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 151-152 (2003)
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[Publications] K.Tabei, S.Mashiko, H.Shirai: "Study of cavitation light emission generated by a waterhammer"4^<th> ASME-JSME Joint Fluids Engineering Conference. 4(発表予定). (2003)