2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速空気流シミュレーションを用いた高効率高性能インターレース加工プロセスの開発
Project/Area Number |
13650171
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
家元 良幸 福井大学, 工学部, 教授 (60020244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 秀一 福井大学, 工学部, 講師 (40274500)
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Keywords | インターレース加工 / インターレース糸 / 数値シミュレーション / 空気加工 / 圧縮性流体 / TVDスキーム / 空気抵抗 / インターレーサ |
Research Abstract |
本年度は、高効率インターレース加工プロセスの構築を計算機シミュレーションで実施するため、インターレーサ内における空気の流動およびモノフィラメントに作用する空気抵抗を明らかにすべく研究を実施した。得られた成果は以下の通りである。 (1)本研究室で開発した高解像度風上差分法(TVD)によるインターレーサ内高速空気流シミュレーションプログラムを用いて、モノフィラメント糸を円柱に見立てて、一様空気流中におかれた円柱に作用する空気抵抗を計算機シミュレーションにより求めた。その結果、抵抗係数は空気の流速/音速で表されるマッハ数に比例して増加するが、摩擦抵抗係数は抵抗係数に比べて小さく、糸は空気摩擦による影響はほとんど受けず、流速の方向に運動することが示唆された。しかし、インターレーサ内の流れにより近い平行平板内におかれた細い円柱に対する抵抗係数はマッハ数1以上ではマッハ数の増加と共に減少した結果が得られ、流速を上げすぎても糸の運動に対する効果が見られないことがわかった。以上のシミュレーション結果から、効率よくインターレース加工を行うための最適な空気流の速度が存在することが示唆された。 (2)インターレーサ内に存在するモノフィラメントを、糸道管内にある静止した1本の円柱と仮定し、その円柱に作用する空気抵抗を実験的に検討した。その結果、力の時間平均値が大きな勾配をもつ噴流境界や時間的な変動の激しい噴流対壁と噴流境界の交わる付近で、1本1本のフィラメントに空間的あるいは時間的に異なった力が作用し、フィラメントの相対的位置を変化させる作用が大きく、インターレース加工に効果的であることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshiyuki Iemoto, et al.: "Frictional Strength of Entanglement of Interlaced Yarns"Journal of Textile Engineering. Vol.48, No.4. 123-128 (2002)
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[Publications] Yoshiyuki Iemoto, et al.: "Tangling Angle of Interlaced Yarns"Journal of Textile Engineering. Vol.48, No.4. 129-135 (2002)
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[Publications] 伊藤弘英, 家元良幸, 田上秀一: "高速空気流中にある円柱物体に働く力"日本繊維機械学会第55回年次大会研究発表論文集. 124-125 (2002)
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[Publications] 細川順市, 家元良幸, 田上秀一: "サクショガンの糸吸込性能の検討"第15回繊維連合研究発表会講演要旨集. 176 (2002)
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[Publications] 家元良幸, 田上秀一, 清水里佳: "インターレーサの糸道管内のモノフィラメント糸(円柱)に作用する力"第15回繊維連合研究発表会講演要旨集. 178 (2002)