2001 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル内火災時の熱と煙の挙動解析シミュレータの高度化に関する研究
Project/Area Number |
13650172
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川端 信義 福井大学, 工学部, 教授 (90126631)
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Keywords | トンネル換気 / 火災プルーム / LES解析 / 遡上特性 |
Research Abstract |
1)熱気流遡上特性に及ぼすトンネル勾配による影響 熱気流遡上特性(移動速度・移動距離・熱気流温度)についてトンネル勾配および発熱速度による影響について、まず1/15スケールの模型トンネル(現有設備)を用い、0%〜10%までの勾配に対して各縦流風速、各発熱速度における遡上特性について明らかにした。次に、LESシミュレーションによって上記の遡上特性について検討した。その結果、シミュレーションは模型実験結果を定性的にも定量的にも十分な精度で予測し得ることを明らかにした。また、実大トンネルに対して本研究で高精度化したシミュレーションを行うことにより、遡上阻止風速、遡上速度の勾配、発熱速度による影響について明らかにした。 2)煙の降下現象 天井を伝って移動する高温煙が冷やされ,路面に降下する降下位置について実大実験と比較し、本シミュレーションが定量的に実験結果を再現し得ることを確認した。さらに路面に設置された障害物によっても成層状態が崩され煙が降下することも明らかにした。 3)大断面トンネルにおける火災プルームの挙動 交通渋滞の緩和を目的に3車線大断面トンネルが建設されている。本研究で高精度化したシミュレータにより大断面トンネルにおける火災実験結果との比較を行った。その結果、温度場に関しては天井面温度も含めて極めてよく一致することを確認し、ガソリン火皿火災の発熱速度、発煙速度について明らかにした。 以上のように、今年度はシミュレータの入力条件の検討を通して実験結果によく一致することを確認したことが主たる実績である。なお、これらの研究成果はについては3編以上の論文として発表する予定であり、現在執筆中である。
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