2001 Fiscal Year Annual Research Report
乱流境界層におけるエントレインメント機構と1/f^α構造との関係に関する実験的研究
Project/Area Number |
13650182
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
望月 信介 山口大学, 工学部, 助教授 (70190957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坂 英雄 山口大学, 工学部, 教授 (90024611)
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Keywords | 乱流境界層 / エントレインメント / 秩序構造 / フラクタル / 平衡境界層 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乱流境界層のエントレインメント機構をフラクタルにより議論されているl/f^α構造に基づいて理解することである。そのため、零圧力勾配下および逆圧力勾配下に発達する平衡境界層の2種類に的を絞り、両者の比較から構造の普遍性と外的条件のべき指数への影響を明らかにする。初年度は2種類の流れ場を確立することを目標に実験を行い、満足できる結果が得られた。また、壁面せん断応力の直接測定装置を改良し、適用可能なものとした。 A.零圧力勾配下の乱流境界層 運動量厚さに基づくレイノルズ数がおよそ2000の標準的な二次元乱流境界層を実現した。二次元性の確認には運動量積分方程式の釣り合いを用いた。標準的な乱流境界層が完成したとの判断は、局所壁面摩擦抵抗係数、対数速度分布、後流関数および後流パラメータに基づいて行なった。 B.平衡境界層 平衡境界層はRottaが導いたレイノルズ方程式の相似解の考察に基づいて行なった。それにより、主流速度がxのm乗で減衰する条件が選択された。風洞屋根部高さを調整し、m=0.188の一定値を流れ方向1000mm程度の区間にわたって確立することに成功した。平均速度、レイノルズ応力および境界層厚さの発達を計測することにより、300mmにわたって平衡境界層が確立されていた。 1.平均速度およびレイノルズ応力分布の相似性は良好で、長さ尺度の発達は平衡境界層成立の条件を満足した。 2.逆圧力勾配の作用により、対数速度分布の切片の値が若干減少した。 3.逆圧力勾配の影響は外層の後流強さに顕著に表れる。 4.外層の間欠的領域における乱流塊の流れ方向、スパン方向および高さ方向の長さ寸法に逆圧力勾配の影響がみられた。 5.変動速度の高次モーメント量(3重速度相関)分布の形状および大きさに逆圧力勾配の影響が顕著にみられた。
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Research Products
(2 results)