2001 Fiscal Year Annual Research Report
乱流境界層中に噴出した気流から生じる微小気泡の生成機構
Project/Area Number |
13650190
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加藤 健司 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10177438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 恒雄 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40047329)
|
Keywords | 微小気泡 / 乱流境界層 / 表面張力 / 気液界面 |
Research Abstract |
乱流境界層水中に壁面から多量の微小気泡を噴出させると,摩擦抵抗が数10%低減することが知られており,省エネルギー技術として注目されている.しかしながら、抵抗低減に重要な影響を及ぼす気泡生成のメカニズムについては,未だ明らかにされていない.本研究は,乱流境界層流れの壁面上にd=0.1〜0.4mmの単一孔を設け,乱流境界層中に吹き出す気流からの気泡生成機構を実験的に明らかにすることを目的としている、境界層主流速度および空気流速度を様々に変化させ,CCDカメラおよびハイスピードビデオカメラにより,気流から分離する気泡の挙動を詳細に観察した.気流速度νが小さいとき,球形の気泡が周期的に形成され,気泡径は従来の理論式と大体一致する(領域I).νが大きくなると,気流は主流方向に伸びて楕円体の形状をとり,壁面の小孔直上で気流がちぎれて気泡が形成される(領域II).νがさらに大きくなると,気流は主流方向に尾を引いた長い柱状となる(領域III).領域IIIにおいて,小孔上で気流径は一旦縮まるが,大きな空気流量のため次の瞬間には気流径が回復し,この現象が繰り返されて尾の長い連続した気柱が形成される.したがって,気柱表面には周期的な節が観察される.領域IIIの場合,気泡は主に気柱界面のRayleigh不安定により分離生成される.上記領域I〜IIIが現れる孔径d,主流速度U,気流速度νの範囲について分類を行った.d, Uが大きいほど,小さいνで領域IIIへの移行が起こる.気柱内空気流に作用する慣性力,圧力,表面張力および粘性力を考慮した運動方程式を近似的に求め,領域IIIの気柱表面形状を理論的に算出した.得られた形状曲線は,実験で観察される形状と大体一致した.この形状を用い,生成される気泡径の概算が可能である.
|
Research Products
(1 results)