2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザアブレージョンで生成した衝撃波と強い渦輪,物体間干渉による圧縮性乱流の研究
Project/Area Number |
13650202
|
Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
簑田 登世子 有明工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (70037852)
|
Keywords | 剥離渦 / 正方形渦ループ / シャドウグラフ / ステレオ・シャドウグラフ / 小渦列 / 方形渦ループの軸変更 |
Research Abstract |
本研究は,強い衝撃波と渦輪を生成し,それらの干渉現象やそれらと物体との相互作用によって生じる流れ場を,光学的可視化により観測し,圧縮性乱流現象の基本的な性質を明らかにする目的で行っている. 本年度前半は衝撃波管を使用して生成した渦輪流れが,小平板に接近し衝突していく様子を,通常のシャドウグラフ法によって2つの異なる方向からの側面像を,また奥行きが認知できるステレオ・シャドウグラフ法によって斜め方向からの観測像を得た.小平板上の境界層の生成と成長,剥離渦ループの生成,ショックレットの生成および両渦輪の相互作用運動などが観測された.後半はレーザアブレーションによって生じた衝撃波の性質を調べた.以下に得られた実験結果の概要を示す. (1)小平板の側面上には強い剥離泡が生じ,それが側面から離れて生じた渦は正方形の渦ループとなっている. (2)正方形渦輪は,曲率の大きな角の部分は,他の部分より下流かつ渦輪の中心軸方向に向かって運動し,2次元平面上にあった渦ループは,時間と共に平面からずれて3次元的な変形をする. (3)正方形の剥離渦ループは進行して来た円形の渦輪に接近し相互作用を行う.両渦輪の衝突後には細い渦線が複雑に絡み合う.しかし全体として渦輪の形は保たれ,時間経過とともに初期の正方形の軸から45度回転した形の軸を持つ1つの正方形渦ループヘと変形する. (4)剥離渦ループと進行渦輪が接近すると,それらの間に衝撃波が生成される. (5)剥離渦ループ生成後に,小平板の前面の辺から連続的に渦が生成される.これは両渦輪の流れの間にできる境界層の不安定によって生じていると考えられる. (6)レーザアブレーションによって生じた衝撃波をマイクロフォンで測定し,方向分布を調べた.その強さには,方向性があることが分かった.また,使用した金属の種類にはあまり影響しないことも分かった. 来年度は,レーザアブレーションによって生じた衝撃波を用いて生成した強い渦輪による実験を行う.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Minota Toyoko: "Shock formation through the interaction of a solid sphere and a vortex ring"Proc.23^<rd> International Symposium on Shock Wave, No.3190. 1521-1527 (2002)
-
[Publications] Minota Toyoko: "Shock wave deformation in shock-vortex ring interactions and its development"Proc.of 3^<rd> International Workshop on Shock Wave-Vortex Interaction. 25-37 (2002)