2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650226
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
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Keywords | 細胞 / 凍結障害 / 溶液効果 / 溶液潅流顕微鏡 / 潅流チャンバー / 濃度変化 / 光干渉法 / 細胞膜透過率 |
Research Abstract |
本研究の目的は,新しく開発した溶液潅流顕微鏡を用いて,細胞外溶液の電解質の濃度変化により細胞がどのような影響を受けるかを実験的に明らかにすることにある.前年度はヒト前立腺癌由来の細胞株PC-3を試料として,細胞の生存率に及ぼすNaCl水溶液の濃度の影響高濃度液への暴露時間の影響,濃度の増加および減少速度の影響を明らかにした.この実験結果を元に細胞の損傷機序を明らかにするためには,細胞の浸透挙動に対する定量的な検討が必要である.そこで,本年度は,本装置における溶液濃度変化およびテスト部内の濃度の一様性について検証するとともに,得られた結果を用いて細胞膜の水透過率の測定を行った.概要及び主な結果は以下のとおりである. 1.He-Neレーザを光源とする光干渉法によりテスト部の濃度変化に対する干渉縞の移動を撮影した.テスト部中央における流路の幅方向の輝度の分布を求め,各点での輝度の時間変化を求めた.NaCl水溶液の屈折率は濃度と共に直線的に増加するため,輝度の変化速度から濃度変化速度を直接求めた. 2.流路の幅方向の濃度はいかなる条件においてもほぼ一様であった. 3.2本のシリンジポンプを用いてNaClの濃度を変化させると,濃度変化速度が0.2M/mm,5M/mmの場合には,テスト部での濃度変化も設定とほぼ同様に変化した. 4.等張(0.15M)から高張へ突然濃度を変化させた場合の濃度変化パターンを求めるとともに,本装置で実現できる最大変化速度を算出した. 5.濃度を0.15Mから0.5Mに急増したあとの細胞の体積変化を実験的に求め,上記の濃度パターンを与えて計算した結果と比較することにより細胞膜の水透過率を0℃,11℃,23℃の場合について求めた.
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Research Products
(1 results)