2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650229
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増岡 隆士 九州大学, 工学研究院, 教授 (30039101)
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Keywords | 多孔質 / カオス / 乱流 |
Research Abstract |
多孔質内の層流は,レイノルズ数の増加とともに内部流の時間的揺動,カオス挙動を経て,乱流へと遷移する.本研究においては,多孔質内部構造のモデルとして狭い隙間を有するダクト内に管群を配置した(Hele-Shaw管群)多孔質モデルを取り扱うことによって内部流動状況の可視化ならびに局所速度場温度場の測定を行い,カオスと乱流への遷移および輸送性質の関連等,多孔質内におけるカオス乱流のモデルの実験的数値シミュレーション的検討を行った.ミクロスケールでのカオス挙動の実験的検討を行うとともに,数値解析においては,流動場と固体内温度場を連成した数値解析を行い,固体熱伝導の影響を組み込んだ数値解析を行った. 多孔質内の流れは,レイノルズ数が極めて小さいとき,直管内のレイノルズの実験と同様に,流脈は時間的に変化せず,多孔質内の流路に沿って揺動することなく流れる.レイノルズ数の増大が時間的揺動を生じること、多孔質内のカオス乱流は,基本的に粒子径(多孔質代表寸法)スケールの渦(擬似渦)と空隙スケールの渦(空隙渦)に支配される. 実験,数値シミュレーションにおいて圧力損失,可視化の観察,局所速度場,温度場の時系列からのパワー'スペクトル密度分布,最大リァプノフ指数を求め,.以下の検討を行った. ・Forchheimer流動抵抗は空隙スケールの流動の不安定に基づくことを数値シミュレーシヨンにおいても示した. ・多孔質内における乱流過程において流れの不安定性はまず擬似渦が支配的になる領域があり,次に擬似渦と空隙渦が支配的となる領域がある.高レイノルズ数での空隙内熱流動場を固体内熱伝導と連成して解き,高周波数での変動の解析を行った. ・多孔質内における実験的カオス挙動および乱流への遷移を数値シミュレーションにおいても確認した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Masuoka, Y.takatsu: "Turbulence Characteristics in Porous Media"Transport Phenomena in Porous Media (ed.by I.Pop and B.ingham), Pergamon. (in press). (2002)
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[Publications] T.Masuoka, Y.Takatsu, T.Inoue: "Chaotic Behaviors and Transition to Turbulence in Porous Media"Microscale Thermophysical Engineering. (in press). (2002)
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[Publications] 増岡隆士: "多孔質内の熱流動"日本機械学会熱工学講演会講演論文集(岡山),(基調講演). 1-6 (2001)
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[Publications] T.Masuoka, H.Nakamura, S.Kobayashi, K.Tanaka, T.Oshima: "Optimal Partition for Suppression of Thermal Convection"Thermal Science and Engineering. vol.9・No.4. 61-62 (2001)
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[Publications] 谷川洋文, 増岡隆士: "水平環状多孔質層内自然対流の低レーレー数域熱的振動"日本機械学会論文集(B編). 67巻・653号. 148-153 (2001)
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[Publications] 谷川洋文, 増岡隆士, 小松直樹, 井上達哉: "感温スクリーンによる熱対流制御に関する研究"日本機械学会論文集(B編). 67巻・660号. 2068-2072 (2001)