2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650247
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Research Institution | TOYAMA University |
Principal Investigator |
小泉 邦雄 富山大学, 工学部, 教授 (60019776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 基文 富山大学, 工学部, 助教授 (00019217)
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Keywords | 福祉工学 / 高齢者福祉 / 在宅介護 / 介助 / パワーアシスト / リハビリテーション |
Research Abstract |
高齢者の多くは下肢の機能低下や障害を有するために,特に下肢筋力を必要とする立上がりのような抗重力動作が困難になる.立ち座りの多い在宅生活を自力で可能にする支援のためには,座布団に座った姿勢から腰を浮せる立上がり姿勢までを押上げる機器が必要となる.本研究は,畳の生活になじむ日本特有の座卓・座布団の生活を前提として,この立上がりを介助する座椅子を開発するが,福祉機器で最も重要なことは,高齢者人一人の状態が異なる上に同一人でも月日と共に変化するために常に対象者に追従できるフレキシブルな機構および動きが必要なことである.本研究では,各人に合った自然な姿勢変化となる座面の動きを任意に設定できるとともに,立上がりが困難な動作部分のみを介助する.健常者と同等な立上がり能力とするのが通常のパワーアシストの考え方であるが,人間はややもすると楽をしようと怠けがちになり,立上がる努力を惜しんで少しでも多くのアシストを得ようとし易い.これを防ぐために日常の動作の中で無意識の内に努力させ,残存能力の維持,さらには向上を図るように努力時だけをアシストし,疲れは考慮するが怠けさせないアルゴリズムを実現して,福祉機器に新たな考え方を付与する. (1)機構各部の作用力および動作を理論解析し,動作特性・所要動力を明らかにした。 (2)椅子からの立上がりで,筋電位,発汗の生理的データと努力との関係を考究した。 (3)手の平の精神的発汗開始は,立上り意志の発生と相関のある可能性がある。 (4)生理的データから立上がり力との関係を考究して,立上がり時に関する力,特に肘掛け先端を引く力および手の平で押し上げる力で立上り努力を推定可能なことがわかった。 (5)この関係を用いる努力支援型パワーアシストのアルゴリズムを作成した。
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