2001 Fiscal Year Annual Research Report
支点および振り子長の振幅制限を考慮した振り子系の非線形制御
Project/Area Number |
13650253
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉田 和信 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (50182754)
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Keywords | 可変長振り子 / 状態制限 / 制振制御 / 制御系設計 / 非線形制御 / ブランコ / 安定化制御 / 準最適制御 |
Research Abstract |
ます,振り子長のみが変化する振り子系に対する非線形制御則を検討した。 1.理論的検討 (1)数学モデル モデルとしては,実際に振り子長を変えるものではなく,振り子に取り付けられた重りの位置を変えることにより振り子の等価長を変えるものとした.ラグランジュの方法により厳密な数学モデルを求めた.ただし,支点部の摩擦は無視した. (2)制振条件 振り子系の力学的エネルギに類似した非負関数Vを導入し,Vを減少させれば振り子の振動を減衰させることができることを示した.そして,Vの時間微分を求め,それを非正にする条件を導出した.この条件を制振条件と呼ぶ.制振条件は,重りの速度に関する条件となり,振り子の角度,角速度にしたがって,その符号を変えることになる. (3)重り位置の制御則 重りの可動範囲は限られているので,この点を考慮して重りの速度制御を行う制御則を考案した.すなわち,重りの位置を振り子の位相面軌道から得られるbang-bang関数を目標入力とするサーボ系により制御することによって,重りの位置と速度を制御する方法を求めた.本制御則はサーボ系の字定数Tを設計パラメータとして持つ. (4)最適制御の性能評価式 本制御則の制御性能を評価するために,減衰比を最大とする最適制御則を適用した場合の制御性能評価式を導出した.最適制御との比較により,本制御則は,Tを小さくしていくと最適制御に近づくことを示した. 1.実験およびシミュレーションによる検討 (1)実験装置を用いた制御実験 振り子長が約1m,重りの可動範囲が支点から測定して0.111mから0.844mの振り子系装置に対して,得られた制御則を用いて重りの可動範囲を種々変えて制振制御実験を行った.その結果,最適制御に近い制御性能が得られた. (2)シミュレーションによる検討 実験装置のパラメータを用いて,シミュレーションを行った.シミュレーション結果は実験結果とほぼ一致し,実験の妥当性が確認できた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉田和信, 植田盛一, 川辺尚志, 西村行雄: "重心移動による振子系の準最適制御"システム制御情報学会論文誌. 15・9(掲載予定). (2002)
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[Publications] K.Yoshida, J.Ueda, H.Kawabe, Y.Nishimura: "Suboptimal vibration control for a pendulum by moving the center of gravity"IASTED International Conference, Control and Applications. May, 2002(掲載予定). (2002)