2001 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィ推論を用いた乗用車の操舵・サスペンション統合制御システムの開発
Project/Area Number |
13650254
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
芳村 敏夫 徳島大学, 工学部, 教授 (90035618)
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Keywords | 高度道路交通システム / 操舵制御 / サスペンション制御 / フィードバック制御 / 乗用車モデル / ファジィ制御 / シミュレーション / スカイフックダンパー制御 |
Research Abstract |
高度道路交通システム(ITS)の制御技術は、ドライバーの運転機能を完全に自律化することであるが、現段階では自動操作する制御を部分的にドライバーの操作が関与すると考えるのが妥当であろう。ここでは、乗用車が外乱の影響を受けて目標車線からの逸脱をすみやかに修正するための操舵制御を開発する。しかしながら、その逸脱量が過大になったとき、車両位置を目標車線に速やかに復帰させるために多大な制御力を加えると、車両運動が激しくなり安全性や乗り心地を阻害することになる。そのため、操舵制御の設計においては、車両のサスペンション制御の設計と統合して行わなければならない。ここで対象とする乗用車は2車輪モデルであるとし、前・後輪舵角を乗用車モデルの状態変数からなるフィードバック制御として決定した。この前・後輪舵角によって乗用車を自動操舵させるが、さらに前輪舵角にドライバーの手動操作による修正舵角を加えた。しかしながら、乗用車は非線形性や不確定性などを含む複雑なモデルと考えられるから、どのような状態変数を制御変数に選択し、かつその重みをどのように決定するかは非常に困難となる。そのため、このような複雑なモデルの制御に対して優れた性能を示し、かつ人間の動作盛覚などを制御アルゴリズムに記述できるファジィ推論を用いた。ファジィ推論においては、入力変数(状態変数)の数を増大すれば、その制御ルールの数が膨大となるため、ここでは1入力-1出力型の制御ルールを用いて制御アルゴリズムの簡単化をはかった。操舵制御に用いられる状態変数は、ヨーレート、横すべり角、車両位置と目標車線との偏差の3種類とし、サスペンション制御に用いられる状態変数は、車体の前・後輪部位置での速度としスカイフックダンパー制御を設計した。また、入力および出力のファジィ集合は、それぞれ2種類のアーク・タンジェント型および直線型とした。シミュレーションの結果、本手法の妥当性が立証された。
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