Research Abstract |
1984年にカーネギメロン大学で試作されたNavlabと名付けた自動操縦自動車は,現在,世界で開発が行われている自動操縦自動車の草分け的存在であり,自分で道路の境界を判断し,衝突を回避しながら学内道路を自律走行する.日本では,磁気ネイル(磁気を帯びたクギ)を打ち込んだ誘導路を高速道路に敷設し,この誘導路に沿って自動車を走行させる計画がITS(Intelligent Transport Systems)計画の一環として進んでいる.磁気ネイル型誘導路に沿って車両を走らせることは,現在の制御技術をもってすれば,とくに困難なところはないため,本報告の研究者等にとり,磁気ネイル誘導方式を研究することの魅力は薄い.本研究は,これらの背景のもと,多種類の環境認識センサから得られた情報を解析し,磁気ネイルの敷設されていない道路でも自律走行できるようにしょうとするものである.具体的には,独自に開発したスキャンニングレーザレンジファインダと無走査型超音波レンジファインダ,位置測定用として開発されているDGPS等の多数のセンサを搭載し,これらのセンサから得られ情報を統合し自律走行を行う自動操縦自動車の開発を主な研究目的としている 平成13年度は,実験用自動操縦自動車の製作を行った.4,070mmL×1,650mmW×1,890mmHのワンボックスカーに操舵用,ブレーキ用,およびアクセル用の合計3個の制御モータを取り付け,コンピュータで制御可能なように改造した.また,環境認識センサとして,自作のレーザレンジファイダーと超音波ソナを取り付けるとともに,立体視用のビジョンセンサを取り付けた.さらに,高精度の走行距離計を試作し取り付けるとともに,DGPSとファイバージャイロを搭載し車両の絶対位置と姿勢角が検出できるようにした.現在は,学内道路を自動操縦により走行する実験を行い,経路探索や経路決定,障害物回避等の自動操縦が可能なことを確認しており,次年度に向け環境認識の信頼度を高める研究を行っている
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