2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650289
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
古谷 克司 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (00238685)
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Keywords | パラレル機構 / 圧電素子 / ナノテクノロジー / 粗微動機構 / 姿勢制御 / 直動機構 / 校正 / ナノ加工 |
Research Abstract |
近年、機械的なナノ加工の加工現象を観察・評価するために、原子間力顕微鏡をナノメートルオーダの加工装置として利用する研究が盛んになされている。ナノ加工においては切込量をnmオーダとしながら任意の走査を制御する必要があるため、このz方向の変位は無視できない。したがって、試料に任意のパターンを形成するためには6自由度を持つ高精度な微動機構が必要となる。そこで本研究では、平成15年3月までに6自由度を持つスチュワートプラットフォーム型パラレル機構を微動機構に用いた原子間力顕微鏡を開発し、それをナノ加工機として用いることを目的とする。本年度は、以下のことを行った。 (1)試料傾きの補正 試作したステージを用いて原子間力顕微鏡を構成し、水分子とプローブ間に働く力の履歴であるフォースカーブの再現性を測定することで運動精度を評価した。6自由度を持つ特徴を生かし、試料の角度を補正し、高い倍率で観察した。 (2)粗微動移動機構 一軸の実験装置を製作し、外部負荷および走行面の傾き角の影響などを実験的に解析した。垂直方向でも安定して移動できる条件が明らかになったので、今後のナノマニピュレーションの多自由度かに有効であると考えられる。 (3)ナノ加工実験 プローブ支持部(カンチレバー)形状を変え、大気中でアクリル上にナノ加工実験を行った。短冊形と三角形のカンチレバーでは、三角形のほうがスキャンの影響が現れにくかった。短冊形では、スキャン方向により、カンチレバーのねじれや座屈が生じ、加工誤差となった。
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