2001 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域におけるポリマー絶縁材料の劣化診断のための漏れ電流測定法の開発
Project/Area Number |
13650324
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 誠一 秋田工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (00042292)
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Keywords | ポリマー絶縁材料 / 吸水現象 / 積雪地域 / 凍結 / トラッキング破壊 / 漏れ電流 / 高調波成分 / 接触角 |
Research Abstract |
これまでの実験の結果,浸漬によってわずかでも吸水した試料は凍結した場合,耐トラッキング性が低下することを確認している。 そこで,シリコンゴム,合成ゴムなどのゴム試料およびポリカーボネート樹脂,ABS樹脂など充填材を含まないベースポリマー試料を純水に浸漬して基本的な吸水特性を実験・検討した。その結果,ゴム試料,ベースポリマー試料いずれも,浸漬すると吸水が進行して1週間から10日前後で飽和した。吸水率の点においては合成ゴムが約5%と顕著なのに対し,ABS樹脂は2%程度,シリコンゴム,ポリカーボネート樹脂,ポリエチレンなどは1%程度と僅かであった。また,最近多く用いられているシリコンゴムについては,屋外使用される場合,表面放電によって受ける電気的および化学的侵害を想定して,予めコロナ放電に曝した後に浸漬して吸水させた結果,大幅に吸水率が増加することを確認した。 次に課電状態における漏れ電流測定を耐トラッキング試験,あるいは霧室法耐電圧試験をベースとした方法で行った。今年度は耐トラッキング試験においてトラッキング破壊に至る過程で流れる漏れ電流を13年度購入の高速サンプリングオシロと周波数分析器(既存設備)によって観測,分析する手法の開発を始めた。その結果,漏れ電流に含まれる高調波成分を試料表面に発生する放電の進展段階ごとにサンプリングして,その特徴を把握することができた。
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