2002 Fiscal Year Annual Research Report
弗化物/酸化物ハイブリッド単結晶ヘテロナノ構造の創製とフォトニクス素子への応用
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13650336
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
渡辺 正裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00251637)
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Keywords | 弗化カルシウム / 酸化亜鉛 / ヘテロエピタキシー / 紫外発光 / 同時ドーピング / スパッタ法 / アクセプタ / シリコン |
Research Abstract |
本研究では、次世代の光・電子融合集積システムの基盤となる材料として、シリコン基板上にエピタキシャル成長可能な弗化物系化合物弗化カルシウム(CaF_2)ならびに直接遷移型ワイドギャップ半導体酸化亜鉛(ZnO)およびBeZnSeで構成される人工ヘテロ構造を提案し、この材料構成を用いたナノメートルサイズの人工単結晶ヘテロ構造の創製と、その量子構造制御によるフォトニクス素子への応用,特に紫外線レーザを視野に含む発光素子への応用に関する研究を目的として研究を行なった。本年度は以下の研究成果を得た。 1)ZnO結晶品質の向上を目的として、酸素欠損欠陥を低減させるため酸素雰囲気中での高温(900〜1100℃)アニールを試みたところ,フォトルミネッセンス測定において、バンド端エキシトンからの発光ピークがアニール前の100倍以上にも向上し、良好な紫外線発光を示す結晶が得られた。 2)ホール注入層に用いるためのp型ZnOの実現を目指した不純物ドーピングによる伝導性制御の研究を行った。まず、p型化を困難にしているアクセプタの低活性化率、低固溶限を克服するため、第一原理計算を用いた理論予測を参考に、Ga(ドナー)とN(アクセプタ)の同時ドーピングを試みた。ターゲットとして酸化ガリウム+酸化亜鉛、スパッタガスとして2酸化窒素を用いて成長温度、スパッタ電力等の依存性を調べた結果、10^<20>〜10^<21>cm^<-3>の高濃度のNアクセプタがドーピングされていることが確認された。 3)シリコン基板上に形成されたエピタキシャル弗化カルシウム(CaF_2)と、紫外線発光ワイドギャップ直接遷移型混晶半導体BeZnSeのヘテロエピタキシャル成長を試みたところ、基板温度250℃でエピタキシャル成長することが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Niiyama, T.Maruyama, N.Nakamura, M.Watanabe: "Room Temperature Ultraviolet Photoluminescence of BeZnSe on GaP(001)"Jpn. J. Appl. Phys.. 41・7A. L751-L753 (2002)
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[Publications] T.Maruyama, N.Nakamura, M.Watanabe: "Crystal Growth of BeZnSe on CaF_2/Si(111) Subtrate"Jpn. J. Appl. Phys.. 41・8A. L876-L877 (2002)
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[Publications] 渡辺正裕, 石川達也, 松田克己, 金澤徹, 浅田雅洋: "ナノ領域成長によるSi(111)及びSi(100)基板上CdF_2/CaF_2共鳴トンネルダイオード"信学技報. ED2001-242. 65-70 (2002)