2002 Fiscal Year Annual Research Report
冷陰極電子エミッタに適用するナノチューブ膜の高速合成と特性評価
Project/Area Number |
13650342
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
滝川 浩史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90226952)
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Keywords | 多層カーボンナノチューブ / 大気中生成 / トーチアーク法 / 基材依存性 / ナノチューブ形成様相 / ナノチューブフレーク / 電界電子放出特性 / カーボンナノホーン |
Research Abstract |
次世代省電力表示装置としてカーボンナノチューブ冷陰極電子エミッタで構成された電界電子放出デバイス(CNT-FED)の開発が期待されている。カーボンナノチユーブは種々の手法によって合成できるが,CNT-FED用のナノチューブとしては,結晶性の高いナノチューブが必要であり,アーク放電法で合成されたものが最適であると見られている。本研究では,申請者が新たに開発したトーチアーク法を用いて,多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を高速に合成し,冷陰極電子エミッタ源への応用を確立することを目的としている。初年度に得られた主要な結果は以下のとおりである。 1)使用する基材は純黒鉛か,あるいはNi/Yを混入させた黒鉛が適当である。Ni, Cu,およびFe単体を混入させた黒鉛の場合,多層カーボンナノチューブの生成量は前者らの場合より少ない。 2)連続的にアーク放電を発生させると,一旦合成された多層カーボンナノチューブは消滅してしまう。 3)基材表面のアークスポットに形成された多層カーボンナノチューブは,基材面に対し起立している。 しかしながら, CNT-FEDの製造当っては低コスト化のためスクリーン印刷法を利用することが要求されてる。そこで,第2年度は,トーチアーク法の装置を改良することにより, MWCNTを黒鉛基板から剥離・回収する技術の開発を行った。その結果,トーチと黒鉛とが成す角度を約30°にすることにより, MWCNTの薄片(フレーク)として得ることができた。そのMWCNTフレークをペースト化し,スクリーン印刷により二極管構造のCNT-FEDを作製して電界放出特性を計測したところ,従来のMWCNTと同程度の特性を得ることができた。また, MWCNTフレークの製造技術開発の過程で,アーク放電を用いてカーボンナノホーン微粒子を選択的に合成する手法も開発した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Takikawa: "Simple preparation of carbon-nanotubed field emitting surface using a welding arc torch"電気学会論文誌A. 121・5. 495-496 (2001)
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[Publications] H.Takikawa: "Formation and deformation of multiwall carbon nanotubes in arc discharge"Japanese Journal of Applied Physics. 40・5A. 3414-3418 (2001)
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[Publications] H.Takikawa: "Carbon nanotubes on electrodes in short-time heteroelectrode arc"Materials Science and Engineering C. 16・1-2. 11 (2001)
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[Publications] H.Takikawa: "New simple method of carbon nanotube fabrication using welding torch"CP590 Nanonetwork Materials ; AIP. 31-34 (2001)
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[Publications] H.Takikawa: "Transformation of graphite into multi-walled carbon nanotubes by AC torch-arc"Physica B. 323・. 287-289 (2002)
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[Publications] M.Ikeda: "Preparation of carbon nanohorn aggregates by cavity arc jet in open air"Japanese Journal of Applied Physics. 41・7B. L852-L854 (2002)