2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13650371
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 正恆 千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 達也 千葉大学, 工学部, 助手 (60302527)
橋本 研也 千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353)
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Keywords | 弾性表面波 / 境界波 / 圧電材料 / 集積化 / パッケージ / LiNbO_3 / 電子ビーム露光 |
Research Abstract |
本申請者らは、圧電性基板(LiNbO_3)とシリコン(Si)基板を接合すると、その境界にエネルギーを集中して伝搬する境界波が存在し、これを利用してGHz帯フィルタを構成した場合、これまでのSAWデバイスと同等もしくはそれ以上の性能が得られることを示している。本研究では、LiNbO_3基板とSi基板を低温度で接合する技術を開発し、それを利用して上述の境界波デバイスを実現することを目的としている。この構造を実現するためには、非常に微細なすだれ変換子(IDT)が必要とされる。そこで、まず、電子ビーム露光法を利用した超微細電極の形成について検討した。超微細電極の作成にはリフトオフ法が有利であるが、圧電性基板が絶縁体であるため、電子ビームによるチャージアップが問題となる。そこで、水溶性の帯電防止剤を事前に塗布し、その後にリフトオフ法によるパターニングするプロセスを構築し、線幅0.2μmのIDTをAl製微細IDTを誘電体基板上に実現することができた。また、LiNbO_3基板上にSi層を堆積することによりSi/LiNbO_3構造を作成し、その構造における境界波伝搬の観測を試みた。まず、LiNbO_3上に電子ビーム露光法によりすだれ変換子(IDT)を作成した後、絶縁層としてスパッタ法によりSiO_2層を堆積し、さらにその上に電子ビーム蒸着法によりSi層を堆積した。その結果、中心周波数2.09GHz付近に境界波による応答が観測された。ただし、Si層の堆積により挿入損失が約20dB増加してしまった。これは、Si堆積時に発生した不具合によりIDT電極が短絡してしまったためと考えられる。今後、プロセスをさらに検討し、低損失デバイスの実現を目指すと共に、基板の圧着に基づく境界波デバイス実現を検討して行く予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.Nakagawa et al.: "Analysis of Excitation and Propagation Characteristics of Leaky Modes in SAW Waveguides"日本学術振興会第150委員会第75回研究会資料. 79-84 (2002)
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[Publications] T.Omori et al.: "Preparation of PZT Micro-Discs and Their Piezoelectric Application to UHF-SHF Devices"日本学術振興会第150委員会第75回研究会資料. 85-88 (2002)
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[Publications] K.Hashimoto et al.: "Modelling of Shear-Horizontal-Type Surface Acoustic Waves and Its Application to COM-Based Device Simulation"Proc. IEEE Ultrasonics Symposium. (印刷中). (2001)
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[Publications] 橋本研也: "[招待論文]RF SAWデバイス用シミュレーション技術"電子情報通信学会技術研究報告MW2001-58. 1-8 (2001)
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[Publications] 橋本研也他: "SAWデバイスの多端子対回路としての振る舞いに関する一考察"電子情報通信学会ソサイエティ大会. 283-284 (2001)
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[Publications] 小澤寛司他: "電子線露光によるSAWデバイス作製に関する基礎的検討"電子情報通信学会技術研究報告US2001-30. 37-42 (2001)