2001 Fiscal Year Annual Research Report
選択液相成長フッ素添加酸化シリコン薄膜を用いる光波制御デバイスに関する研究
Project/Area Number |
13650384
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 哲哉 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (60286698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90052795)
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Keywords | 薄膜光導波路 / 液相成長(LPD)法 / フッ素添加酸化シリコン(SiOF) / スピンオングラス(SOG) / オージェ電子分光 / グレーティング結合 / 屈折率 / 熱光学スイッチ |
Research Abstract |
液相成長(Liquid-Phase Deposition,LPD)法によるフッ素添加酸化シリコン(SiOF)薄膜をコア層に用いる薄膜光導波路において、導波光の伝送損失低減を目的にSiOF薄膜形成初期におけるLPD-SiOF薄膜-有機SOG薄膜界面の状態をオージェ電子分光法により分析した。LPD-SiOF薄膜は、過飽和のケイフッ化水素酸水溶液を用い、23℃の温度で形成している。液相成長初期に有機SOG薄膜表面にフルオロシラノール基が吸着し、有機SOG薄膜の屈折率が低下すること,また、有機SOG薄膜中のメチル基は変化しないことなどが判明した。また、選択成長法により、LPD-SiOF薄膜グレーティング(ピッチ:4μm,厚さ:0.1μm)を形成し、グレーティング結合法での結合・導波が可能であることがわかった。 実際にLPD-SiOF/有機SOG構造の薄膜光導波型熱光学スイッチの作製・評価を行った。シリコン基板上に形成したLPD-SiOF薄膜,有機SOG薄膜の波長632.8mmでの屈折率の温度係数は、それぞれ-4.0×10^<-6>/℃,-60×10^<-6>/℃であった。いずれの薄膜も、従来の溶融石英ガラスの温度係数(10×10^<-6>/℃)に対して、負の値をとることがわかった。ニクロム薄膜ヒータヘの印加電圧12.8Vで15dBという高い消光比が得られた。出射光パルスの立ち上がり・立ち下りは370msであった。従来の熱光学スイッチの応答速度に比べて3桁程度遅く、導波路構造・薄膜ヒータ構造の改善が必須であることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H. Kondo, K. Inohara, Y. Taniguchi, J. Nakahata, T. Homma, H. Takahashi: "Thermo-optic Switch using Fluorinated Silicon Oxide and Organic Spin-on-Glass Films"Optical Review Letter. Vol. 8(5). 323-325 (2001)
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[Publications] 谷口祐樹, 井之原和明, 野本雅洋, 近藤弘康, 本間哲哉, 高橋英郎: "液相成長フッ素添加酸化シリコン薄膜を用いた導波路型光スイッチ"第62回応用物理学会学術講演会 講演予稿集. 904 (2001)
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[Publications] 堀江正樹, 野本雅洋, 井之原和明, 本間哲哉, 高橋英郎, 齋藤誠, 寺井藤雄: "グレーティング結合法によるフッ素添加酸化シリコン薄膜光導波路の評価"第62回応用物理学会学術講演会 講演予稿集. 746 (2001)
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[Publications] T. Homma, H. Kondo, M. Sakamoto, K. Inohara, M. Nomoto, Y. Ariyama, H. Takahashi: "Surface Modification of Spin-on-Glass Film by Liquid-Phase Deposition of Fluorinated Silicon Oxide"Thin Solid Films. Vol. 392(1). 107-112 (2001)
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[Publications] 本間哲哉, 井之原和明, 谷口祐樹, 野本雅洋, 堀江正樹, 高橋英郎: "フッ素添加酸化シリコン薄膜の光デバイスへの応用"芝浦工業大学 先端工学研究機構 情報・環境材料研究センター成果報告会 講演資料集. 15-21 (2001)