2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工格子複合膜・超高密度磁気記録媒体の記録機構・記録再生系設計及び評価法の研究
Project/Area Number |
13650388
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
法橋 滋郎 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (00298184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 透 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (80222595)
逢坂 哲彌 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (20097249)
|
Keywords | 磁気記録 / 垂直磁気記録 / 磁気記録媒体 / 磁気人工格子 / 磁気記録媒体ノイズ / 磁気記録理論 / 磁気記録ヘッド / GMRヘッド |
Research Abstract |
1.ナノ構造人工格子複合膜媒体の作製,微細構造の解明,制御および磁化機構の解明: (1)[Co/Pd人工格子記録層/C, Siシード層]複合膜媒体の記録層とシード層のナノメーターオーダー界面の微細構造を解析し,この微細構造が磁化機構の改質,ノイズの低減に大きく影響を与えていることを明らかにした. (2)Co/Pd記録層を等分してその間にC層(1-5nm)を挿入することにより,200kFRPI以上の線記録密度において5dBも高いS/N比を得た.中間層の導入がCo/Pd結晶粒の肥大化を抑制しノイズを低減させていることが分かった. (3)垂直記録二層媒体用極薄Pd/Siシード層の開発:シード層成膜時でのN_2ガス導入,ポストアニールを併用することにより,シード層をPd(5nm)/Si(5nm)にまで低減することに成功.さらにCoZrNbを軟磁性裏打ち層としたCo/Pd人工格子二層媒体の記録再生実験により,この極薄シード層を適用した媒体において,ノイズが12dBも低減した.この主因はこの改質シード層が結晶性領域とアモルファス領域との相分離構造を有し,これがCo/Pd結晶粒の孤立化を促進したことにあることが分かった. 2.記録過程解析解法:先期の再生過程解析解法に続いて,記録過程解析解法の検討に入った. 3.媒体ノイズ源のモデル化とノイズ評価理論: (1)媒体の交流消磁ノイズ直流磁化ノイズのモデル化とノイズスペクトルの解析解(GMRヘッド再生)を求めた.この理論をCo/Pd人工格子媒体の実験結果に適用し、ノイズ源の分離,評価を可能にした、 (2)信号を記録したときのノイズ(変調ノイズ)のモデル化とノイズ電圧の解析解法の検討に入っている.ここで先期行った媒体の磁化反転モデルとGMRヘッド再生電圧応答解析解法が応用,適用されている.変調ノイズの解析解法は世界的に見ても初めてである.
|
-
[Publications] Takahiro Onoue, et al.: "Microstructure and magnetic properties of Co/Pd Multilayered thin films with C or Si seedlayer"Journal of Applied Physics. 92・8. 4545-4552 (2002)
-
[Publications] Jun Kawaji, et al.: "Enhancement of magnetic properties of Co/Pd multilayered perpendicular magnetic recording media by using Pd/Si dual seedlayer"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 251・2. 220-228 (2002)
-
[Publications] Jun Kawaji, et al.: "Effect of the preparation conditions of a Pd/Si dual seedlayer on the magnetic properties of Co/Pd multilayered perpendicular magnetic recording media"Transactions of the Magnetics Society of Japan. 3・1. 1-7 (2003)
-
[Publications] Junichi Sayama, et al.: "Influence of Sputtering conditions for Co/Pd multilayer on its magnetic properties and crystalline microstructure"Transactions of the Magnetics Society of Japan. 3・1. 8-12 (2003)
-
[Publications] Junichi Sayama, et al.: "Reduction of medium noise of Co-Pd multilayered perpendicular magnetic recording media by a thin carbon interlayer"IEEE Transactions on Magnetics. (印刷中).
-
[Publications] 川治 純, 他: "記録層への非磁性層導入による[CO/Pd]_n垂直磁気記録媒体の低ノイズ化"電子情報通信学会技術研究報告. M2002・6. 35-40 (2002)
-
[Publications] 佐山 淳一, 他: "Co/Pd多層膜の粒子間交換相互作用に及ぼす成膜プロセスの影響"日本応用磁気学会学術講演概要集. 26. 147 (2002)
-
[Publications] 朝日 透, 他: "C及びSi下地層を有するCo/Pd多層膜の磁気異方性及び微細構造の研究"日本応用磁気学会学術講演概要集. 26. 149 (2002)
-
[Publications] 橋本 英樹, 他: "[Co/Pd]_n垂直磁気記録媒体の磁気特性に及ぼすPd/Siシード層作製条件の影響"日本応用磁気学会学術講演概要集. 26. 151 (2002)
-
[Publications] 相沢 はる奈, 他: "ヘッド/2層膜垂直記録媒体系における記録層内の反磁界"日本応用磁気学会学術講演概要集. 26. 431 (2002)
-
[Publications] 橋本 英樹, 他: "垂直二層膜媒体への応用を目的としたCo/Pd多層垂直媒体用Pdシード層の開発"電子情報通信学会全国大会講演論文集. EL-2. 154 (2002)
-
[Publications] 佐山 淳一, 他: "非磁性中間層付与によるCo/Pd多層垂直磁気記録媒体の低ノイズ化"電子情報通信学会全国大会講演論文集. EL-2. 158 (2002)