2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた高精度の動き検出アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
13650411
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山田 芳郎 愛媛大学, 工学部, 教授 (00110833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 憲明 広島国際学院大学, 現代社会学部, 助教授 (60320024)
都築 伸二 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60236924)
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Keywords | テンプレートマッチング / 動き推定 / ニューラルネットワーク / 相互相関関数 / 白色ガウス雑音 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
従来の連続的テンプレートマッチング手法においては,相互相関関数の最大化の際に最急降下法を用いている.すなわち,同手法においては,偏導関数を用いた計算を行うため,雑音の影響を受け易いという弱点がある.実際,40dB以下の低SN比領域においては,検出精度が急速に低下することが本研究代表者らによってすでに明らかにされている.そこで,本研究の目的は,雑音に対してよりロバストな検出アルゴリズムを開発し,低SN比領域における動き検出精度を改善することにある.このために,相互相関関数のピーク位置をニューラルネットワークにより直接的に推定する新たな動き検出手法を開発した.入力画像に対する雑音モデルとしては,第一次近似的な意味で,相加的な白色ガウス雑音を仮定し,35dB〜50dBの範囲のSN比に対して,シミュレーション実験により検出精度の評価を行った.検出精度は水平および垂直方向の各移動量についての検出誤差のRMS値によって評価した. なお,提案手法においては,偏導関数を用いないこと,最急降下法のような逐次近似計算を行わないことなどから,演算量の削減(高速化)も期待できる.以上の検討の結果,提案手法を用いることにより,(1)低SN比領域の検出精度を改善できること,(2)SN比40dB以上の領域では,従来手法と同等の検出精度が実現できること,および(3)ピーク位置検出の演算量を約1/13に削減できることを実験的に明らかにした.以上の研究成果は,現在,映像情報メディア学会誌に投稿中である.なお,ニューラルネットワークの規模が大きくなった場合の局所解の問題を避けるため,遺伝的アルゴリズムを併用した係数学習アルゴリズムについて検討も行っているが,これについては,いまのところ成果は得られていない.
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