2002 Fiscal Year Annual Research Report
垂直磁気記録におけるジッタ性媒体雑音対応のPRML方式
Project/Area Number |
13650412
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Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡本 好弘 愛媛大学, 工学部, 助教授 (20224082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 寿 愛媛大学, 工学部, 教授 (50029336)
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Keywords | ディジタル磁気記録 / 垂直磁気記録 / ジッタ性媒体雑音 / PRML方式 / ARモデル / 雑音予測 / ポストプロセッサ |
Research Abstract |
本研究は、情報ストレージ装置の高密度化を実現するために必要なPRML方式と呼ばれる信号処理方式に関するものである。次世代の記録方式として有望視されている垂直磁気記録においては、磁化遷移点変動に起因するジッタ性媒体雑音が全雑音のほとんどを占め、システムの性能を決める重要な要素となっている。 昨年度、PRML方式にジッタ性媒体雑音に対する耐性を持たせることを目的とした計算機シミュレーシヨンによる検討で、AR(Autoregressive)チャネルモデルによる雑音予測の導入、パリティ検査符号と尤度情報を用いた復号誤りの訂正がジッタ性媒体雑音に対して有効であることが明らかとなったことから、本年度は、実際に垂直磁気記録媒体と記録再生ヘッドをスピンスタンドに装着した実機システムにおける検討を中心にして研究を行った。その結果、以下のような成果が得られた。 1. AR(autoregressive)チャネルモデルにより、復号器入力雑音を推定する機能をViterbi復号器に実装することによって、復号器(Viterbi-AR)の性能改善が実現でき、一層の高密度化が可能である。 2. 実機での誤りパターン解析においても、比較的短い連続反転に起因する復号誤りが支配的となることが明らかとなった。 3. これらの支配的な誤りパターンを訂正するために、記録符号におけるインタリーブド単一パリティ検査符号、Viterbi-AR復号器における尤度情報算出、パリティ検査による誤りパターン検出と尤度情報による誤り位置検出を行うポストプロセッサを開発した。 4. そして、これらを備えたPRML方式をジッタ性媒体雑音のある垂直磁気記録再生系に適用し、ジッタ性媒体雑音に対する耐性を実機で確認した。 5. ARチャネルモデルによる雑音予測を、ターボ符号化・復号化方式のAPP(a posteriori probability)復号器に適用することで、同様の効果が得られることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Okamoto, et al.: "Jitter-like Noise Cancellation Using AR Model of PR Channel in Perpendicular Magnetic Recording"IEEE Transactions on Magnetics. Vol.38 No.5. 2349-2351 (2002)
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[Publications] 岡本好弘, 増成訓之, 山本裕文, 大沢寿, 斎藤秀俊, 村岡裕明, 中村慶久: "垂直磁気記録におけるARチャネルモデルを用いたPRML方式の性能改善"電子情報通信学会 論文集C. (採録決定済). (2003)
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[Publications] Y.Okamoto, et al.: "A Study on Post-processing for PRML-AR System in Perpendicular Magnetic Recording"Digests of International Magnetics Conference 2003. (発売予定). (2003)
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[Publications] Y.Nakamura, et al.: "A Study of Turbo coding and decoding using AR Channel Model"Digests of International Magnetics Conference 2003. (発売予定). (2003)
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[Publications] 大沢寿, 篠原宜彦, 岡本好弘, 斎藤秀俊, 村岡裕明, 中村慶久: "垂直磁気記録におけるNPML方式の性能評価"電子情報通信学会 論文集C. (採録決定済). (2003)