2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ku帯・L帯衛星通信・放送方式の稼働率改善のための各種ダイバーシティ方式の研究
Project/Area Number |
13650422
|
Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
初田 健 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10198757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 由直 北海道大学, 電子情報工学専攻, 教授 (90001180)
|
Keywords | 衛星通信方式 / サテライトダイバーシテイ(Sat. D)方式 / 降雨・降雪減衰特性 / 時間遅延ダイバーシテイ(TDD)方式 / GPS信号 / Ku(14 / 12GHz)帯 / L(2GHz)帯 |
Research Abstract |
Ku(14/12GHz)帯でのSat. D方式の効果の実験、適用法、さらにL(2GHz)帯の移動通信方式の設計に必要な電波伝搬特性および劣化補償のための各種方策について研究を実施した。 (1)L帯の移動体放送方式の設計に必要な時間遅延ダイバーシテイ(TDD)方式の研究 信号減衰による回線品質劣化の新しい補償法として、時間遅延させた2信号を合成して稼働率を向上させる新しい方法として時間遅延ダイバーシテイ(TDD)方式を新しく考案し、この方式構成について基礎実験を行った。測定は、札幌市内でGPS衛星を用い、データ処理プログラムを作成し、これにより特性解析を行った。どのくらいの遅延時間でよいかが問題であったが、約3〜5分が有効であることを明らかにした。改善効果は約2倍の稼働率改善となっている。今後、他の地域での測定、異なった仰角でのデータ、Sat. Dとの比較などを実施する。今年度の結果は2003年6月のIEEE AP-S(アンテナ伝搬シンポジューム)に採録され発表の予定である。 (2)L帯の移動体放送方式の設計のためのサテライトダイバーシテイ(Sat. D)方式の研究 静止衛星を用いて移動体受信機で、高品質のデジタルラジオ放送が受信できる方式を想定し、静止衛星からの信号の遮蔽特性、Sat. D特性を明らかにする。静止衛星の信号を簡易に模擬するためGPSの信号を用いる方法を採用し、特定の衛星軌道を想定した範囲内の信号を取出すことで擬似静止衛星からの信号と考え測定を行う。これまで、都市内での遮蔽特性、Sat. D特性などについて測定したが、さらに、詳細なデータを得て、(1)と比較する。 (3)Ku帯での回線稼働率改善のためのサテライトダイバーシテイ(Sat. D)方式の研究 Ku帯でのSat. D方式は、同じ敷地にアンテナを2基設置して信号強度の大きい信号に切替て通信を継続し、回線稼働率の改善を図るものである。これまで6衛星を用いて測定を継続してきたが、長期データなどが不足しておりまだ十分な結果が得られていない。より詳細で長期のSat. D方式の特性を明らかにするために複数の衛星信号の降雨・降雪減衰特性を測定するための新しい測定系のソフトの開発、受信アンテナ系の整備などを実施し、測定を継続している。今年度の冬季の降雪時の特性を整理し、降雨時の特性との比較などを行う。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] T.Hatsuda, K.Ueno, M.Inoue: "Solar Power Satellite Interference Assessment"IEEE Microwave Magazine. Vol.3,No.4. 65-70 (2002)
-
[Publications] Takeshi Hatsuda, Sadayosi Yoneda: "Genetic Algorithm Application to Efficient Utilization of the Geostationary Satellite Orbit"Proc. of 2002 AIAA ICSSC, No.2024,2002/05. Session2,No.114. (2002)
-
[Publications] T.Hatsuda, N.Inoue, K.Ueno: "SPS (Solar Power Satellite) and Wireless LAN Interference Assessment by Using Microwave Oven Interference Measurement"Proc. of 2002 APMC, THOF09. 1055-1058 (2002)
-
[Publications] Takeshi Hatsuda^*, Naoki Inoue^*, Kenji Ueno: "Interference Assessments between Solar Power Satellite (SPS) and Space/Terrestrial Systems"Proc. URSI-GA, FP24,2002/08. EF. R.5. (2002)
-
[Publications] 初田 健, 井上直基, 上野健治: "5.8GHz-SPS (太陽発電衛星)と各種無線システムとの干渉評価とその軽減法"電子情報通信学会技術報告、衛星通信研究会、SAT2002-46,2002/07. 1-6 (2002)
-
[Publications] 井上直基, 上野健治, 初田 健: "北海道統合通信網の端末部分とその構成法"電子情報通信学会技術報告、衛星通信研究会、SAT2002-47,2002/07. 155-162 (2002)
-
[Publications] 初田 健, 井上直基, 上野健治: "5.8GHz-太陽発電衛星(SPS)と各種無線システムとの干渉評価とその軽減法"北海道工業大学研究紀要、31号、2003/03. 31号. 165-170 (2003)
-
[Publications] 井上直基, 初田 健: "北海道統合通信網の端末部分の構成法とその問題点"北海道工業大学研究紀要、31号、2003/03. SANE-80. 181-187 (2003)