2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650429
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
遠藤 哲郎 明治大学, 理工学部, 教授 (60247145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 弘之 明治大学, 理工学部, 教授 (40201438)
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Keywords | カオス同期 / デジタル系 / 16ビットDSP / 有限ビット長計算 / 32ビットアキュームレータ / ビット長の削減 |
Research Abstract |
本研究では有限ビット長計算によりカオス変復調システムを構築した場合に現れる諸問題について検討している。カオス信号は実数値(=その表現に無限の桁を要する)で表現したときに初めてその本来の非周期なランダム性を示す。しかし、実際の工学上の応用としては特にデジタルシステムを考えた場合、当然、その表現は有限桁となる。一般にカオスを有限桁で表現すると擬似カオス、すなわち、長い周期をもった周期信号となるが、1周期内ではカオスとしての性質を保ち続ける。したがって、有限ビット長にすることにより現れる周期が実際の観測周期に比べて十分に長ければ、たとえ擬似カオスであっても実用的にはカオスと扱うことに問題がなくなる。われわれは、従来よりカオスニューロンタイプの非線形特性と2次の不安定極を組み合わせたカオス発生システムを提案し、これに情報信号を畳込みにより重畳させ、これを受信側でカオス同期を用いて,カオス部分を除去し情報信号を復調するようなシステムを提案している。今回、このシステムをデジタルシグナルプロセッサを想定した16ビット固定小数点演算をもちいて実現することを試みる。この場合、各種の変数や定数は16ビット長データで表現されるが、乗算を伴う部分などでは不可避的に32ビット長のアキュームレータが必要となる。カオス信号の伝送にはこの32ビット長アキュームレータの情報を伝送する必要があり、このためこの部分で伝送速度が落ちてしまうという問題点に遭遇した。そこで、復調すべき情報データのビット長と32ビットアキュームレータとの関係について考察し、送信すべき情報が復調できさえすれば、それを含むアキュームレータの上下のビットに復調誤差を許すという条件を加えるシステムについて検討している。これがうまくいけば、従来アキュームレータが記憶している32ビットの情報をそのまま伝送すべきと考えられていた部分のビット長を削減でき、データの冗長性を回避できるものと考える。今後は、データの良好な復調特性を保ちながら、送信すべきカオス信号のビット長を削減する方法について検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] W.Ohno, T.Endo: "Property of the double heteroclite tangency crisis in a forced PLL equation"Proceedings of ISACAS'01. (CD-ROM). (2001)
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[Publications] A.Hasegawa, T.Endo: "Multimode oscillations in a fully-interconnected vander Pol oscillators"Proceedings of ISACAS'01. (CD-ROM). (2001)
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[Publications] T.Endo: "Intermitterncy in phase-locked loops"The First Asia-pacific Workship on Chaos Control and Synchronization. 12-13 (2001)
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[Publications] 遠藤 他2名: "非線形性が強い場合の発振器の結合系の振舞いについて"非線形問題研究会資料. NLP2001-71. 25-29 (2001)
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[Publications] Y.Aruga, T.Endo et al.: "Instability of same phase solution in a system of two coupled oscillators"Proceedings of NOLTA 2001. Vol.1. 247-250 (2001)
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[Publications] H.Kamata, T.Endo et al.: "property of the pseudo chaos signal generated by the limited bit-length computation"Proceedings of NOLTA 2001. Vol.2. 453-456 (2001)