2002 Fiscal Year Annual Research Report
移動通信システムにおけるマルチメディアトラヒックの解析とアクセス方式に関する研究
Project/Area Number |
13650440
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
岳 五一 甲南大学, 理工学部, 教授 (50234175)
|
Keywords | マルチメディアトラヒック / 性能解析と評価 / ランダムプロトコル / ラヒック解析と予測 / 移動通信システム / チャネル割当法 / 再帰探索アルゴリズム / 自律分散制御 |
Research Abstract |
本研究は、(1)システムの動的な変化を効率的に評価するための手法を研究・開発する、(2)多元トラヒックを効率よく処理し、システムの利用率を高めるための、新たな無線アクセス方式を提案し、数値計算により提案方式の有効性を確認する、(3)限られた資源を効率的に利用できる転送方式を考案する、(4)システム資源能力に応じた付加分散を自律的に行う動的付加分散制御方式を提案することを目的としている。前年度において本研究で行った研究:CSMA/CA方式に対するシステムの確率的変動を解明するための手法の開発、変動係数等の高次モーメントを数値的に分析する方法の確立、インターネット上のトラヒックを統計及び解析可能とする一般的な方法の確立とトラヒックの予測、再帰探索アルゴリズムによる移動通信ネットワークにおける高速なチャネル割当法の提案と評価、を活用して、本年度においては、下記の主な研究成果が得られた。 (1)異なる規格を利用する無線LAN通信環境において、さらに様々な機器が同空間内に混在し、相互に影響しあう場合、システム全体の性能が低下することが予想される。本研究では、様々な条件下で実験実証やシミュレーションを行い、Bluetoothのシステム性能に関する通信特性、BluetoothとWaveLANとの共存時における通信性能を数値的に評価し、システムの動的な変化と影響しあう要因を解明した。 (2)システムにおける端末の移動特性を解明し、異種メディアを容易に統合できるランダム多元パケット型アクセス方式を用いるシステムへ周波数利用効率を高める自律分散ダイナミックチャネル制御方式を提案し、システムの確率的振舞いを解析するとともに、数値結果に基づきシステム性能評価を行い、本手法の有効性を確認した。 (3)限られた資源を効率的に利用できる効率的な通信を目指して、ネットワークのデータのトラヒックの負荷を分散する動的負荷分散制御方式を提案し、負荷を分散させる管理制御アルゴリズムの設計と実装を行った。本システムでは、各端末が自律的にトラヒック密度を監視し、ネットワークの状態に対してそれぞれ動的に対応することができる。実験実証により、システムの性能の向上や本提案手法の有効性が確認された。
|
-
[Publications] 鳩貝 耕一, 岳 五一: "IEEE802.11bとBluetoothとの通信干渉時における性能評価"パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会論文誌. 12・1. 45-52 (2002)
-
[Publications] W.Yue: "Performance Analysis of Mobile Cellular Wireless Systems with Autonomous Reuse Partitioning"Lecture Notes in Operations Research. 4. 338-354 (2002)
-
[Publications] W.Yue, K.Miyazaki, X.Deng: "A High-Speed Optimal Channel Assignment using Recursive Search in Cellular Wireless Networks"Proc. of the IEEE SoftCom2002. 541-545 (2002)
-
[Publications] W.Yue, Y.Matsumoto: "Output Process Analysis of Integrated Voice/Data Wireless LANs with CSMA/CA Protocol"Proc. of the IASTED International Conference of Communication and Computer Networks (CCN2002). 532-537 (2002)
-
[Publications] W.Yue, S.Matsumoto: "Design and Development of Distributed Multimedia Systems for Mathematic Education and Training"Proc. of the IEEE International Conference on Information Technology and Applications. 95-21. 1-6 (2002)
-
[Publications] 岳 五一, 松本 豊: "Analysis of Output Process in Integrated Voice/Data Wireless LANs with CSMA/CA Protocol"電子情報通信学会信学技報. 101・714. 33-40 (2002)
-
[Publications] Qiying Hu, W.Yue: "Optimal Replacement of a System Deteriorated From Both Its Operation and Environment"Memoirs of Konan University, Science Series. 49・2. 67-85 (2002)
-
[Publications] W.Yue, Qiying Hu: "Properties of the Optimality Equation and Optimal Policies in Discrete Time Markov Decision Processes"電子情報通信学会信学技報. CST2002. 7-12 (2002)
-
[Publications] 岳 五一, 馬越 康弘, 鳩貝 耕一: "マルチメディアキャンパス分散教育環境における負荷に関する統計解析"パソコンリテラシ(技術報告). 27・9. 36-42 (2002)
-
[Publications] W.Yue, K.Miyazaki, et al.: "Optimal Channel Assignment in Wireless Communication Networks with Both of Distance and Frequency Interferences"Proc. of the 10th International Conference on Telecommunication (ICT'2003). Wireless (II). 1-8 (2003)