ミクロンサイズ気泡の超音波マニピュレーションとその応用

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13650454
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 山越 芳樹 群馬大学, 工学部, 教授 (10174640)
• Keywords: 超音波 / 気泡 / マニピュレーション / 音響放射圧 / Bjerknes力 / 操作

Research Abstract

本研究は直径が1μm程度の微小気泡を超音波で操作して新たなドラッグデリバリシステムの基盤技術を開発することを目的としているが、このような微小物体を超音波で操作しようとすると、従来行われてきた10μmサイズの物体の場合とは本質的に異なる全く新しい手法を必要とする。これはここで用いる音響放射圧は半径の3乗に比例して小さくなるために大きさが10分の1になると力は1000分の1になるためである。周囲液体からの粘性力の減少を考慮に入れても同じ運動を生じさせるのに100倍もの力が必要になる。この2桁もの力の違いが臨床医学や計測などの分野で幅広い応用が期待されているにも関らず1μmサイズの極微小物体の超音波マニピュレーションが難しいと考えられてきた1つの原因になっていたが本年度は、次の2点から研究を行った。1)数値解析について:すでに本研究室で開発済みの数値解析コードを、気泡膜の表面張力の影響を考慮した完全3次元モデルでのコードに発展させ、これを用いて気泡が超音波場に多数存在する時のダイナミクスを明らかにすると共に、1μmサイズ気泡の超音波操作の開発と高効率化を図った。2)実験的検討について:研究室既存の超音波送波系をもとに申請品の発振器、パワーアンプ等を組み合わせてコンピュータ制御で4つの独立な超音波を同時に送波できる気泡操作実験系を試作し消耗品を用いて流路内部の様子を観察できる模擬血管系を試作し実験を行った。この過程で、気泡のダイナミクスを観察できる従来とは全く異なるホログラフィ法を開発し、これを用いた解析により気泡ダイナミクスについて多くの知見を得ることができた。

Research Products

• [Publications] Y.Yamakoshi, M.Koshiba, Y.Ozawa, N.Masuda: "Trapping of micro bubbles by ultrasnic waves"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.40. 1526-1527 (2001)
• [Publications] F.N.Ucar, Y.Yamakoshi, E.Yazgan: "3D-image reconstruction algorithm based on subaperture processing for medical ultrasonic imaging"Acoustical Science and Technology. Vol.22, No.1. 21-26 (2001)
• [Publications] Y.Yamakoshi, Y.Ozawa, M.Ida, N.Nasuda: "Effects of Bjerknes Forces on Gas-Filled Microbubble trapping by ultrasonic waves"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.40, No.5B. 3852-3855 (2001)
• [Publications] Masato Ida, Yoshiki Yamakoshi: "An Eulerian Scheme for Direct Numerical Simulation of Multibubble Dynamics in an Acoustic Field"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.40, No.5B. 3846-3851 (2001)