2001 Fiscal Year Annual Research Report
加速度波形を用いた高齢者転倒の解析と防止に関する研究
Project/Area Number |
13650478
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
田村 俊世 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 部長 (10142259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 雅幸 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 室長 (10333395)
中島 一樹 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 室長 (50207776)
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Keywords | 転倒 / 衝撃加速度 / 疫学 / 加速度センサ / 転倒頻度 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者において寝たきりの原因の重要な原因の一つである転倒を予防するための機器開発を最終目標として、初年度は転倒の状況を詳細に把握するための転倒解析支援システムを開発した。開発したシステムは、従来、詳細なデータ取得が困難であった転倒時の衝撃加速度、方向、時刻、転倒前の歩行状態を記録することを自的とした。システムは、高齢者に装着する転倒検出モニタ、通信インターフェース、PCより構成されている。モニタは転倒を検出したときの転倒時刻と転倒前後の加速度波形を記録する。モニタは転倒の危険性の低い睡眠中などはCPUの動作を停止させる省電力型の設計とした。これにより最大7日間の計測が可能であった。さらに計測終了後、通信インターフェースにより保存したデータをPCに転送し、衝撃加速度、転倒方向、転倒前の歩行状態の解析を行うことが可能となった。 次に開発したシステムの評価について述べる。若年健常者を擬似転倒させた評価では、すべての被検者で転倒を検出可能であった。高齢外来患者を対象に行った臨床評価では、1ヶ月間の日常行動中において22回の転倒が発生し、このうち19回の転倒を記録可能であった。これらの結果について検討を行い、記録したデータを解析することで転倒の発生原因の考察を行った。本研究において開発した手法を用いることで、従来不可能であった日常行動中に発生する転倒の衝撃加速度、方向、時刻、転倒前の歩行状態の情報が詳細に解析できるようになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田村俊世: "高齢者支援の計測と制御,総論:特集 高齢者社会を支える計測制御技術"計測と制御. 40(5). 331-336 (2001)
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[Publications] 田村俊世: "運動機能の無拘束計測と評価"運動・物理療法. 12(4). 294-300 (2002)
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[Publications] Tamura, T, Yoshimira, T, Nagaya M., Chihara, K: "Fall analysis system"Proceeding of Gerontechnology. (in press).
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[Publications] 田村俊世: "行動運動機能モニタリングシステム 健康・福祉工学ガイドブック(分担執筆)"工業調査会. 257-263 (2001)