2001 Fiscal Year Annual Research Report
部分空間法に基づくフィードバック系の同定に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13650485
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片山 徹 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40026175)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀幸 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90303883)
鷹羽 浄嗣 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (30236343)
|
Keywords | 部分空間法 / 確率実現 / フィードバック系 / 直交分解 / QR法 |
Research Abstract |
本研究では,離散時間確率システムの実現理論と部分空間同定法を応用することにより,フィードバック系に対する新しい部分空間同定法を提案することである.本年度の研究成果は以下の通りである. 1)同時入出力(joint input-output)同定法を採用して,システムヘの外部入力rから同時出力w=(y, u)までの伝達関数T_<wr>=[T_<yr> T_<ur>]を同定して,しかる後にG=T_<yr>T^<-1>_<ur>という関係によってプラントの伝達関数を同定する部分空間同定法を提案した.すなわち,Picci・Katayama(1996)の直交分解に基づく確率実現の理論を適用して,閉ループシステムの確定部分に対する一般的な実現理論を与え,これに基づいて確定サブシステムを同定する新しいアルゴリズムを導出した.この結果は,European Control Conference (2001年9月)および40th IEEE Decision and Control Conference (2001年12月)で発表した. 2)閉ループ系に対する部分空間同定法のアルゴリズムの同定精度を評価する数値的方法を提案した.すなわち,与えられた1組の入出力データから同定精度を評価するために,データのリサンプリングによって(仮想的な)ブートストラップサンプルを多数生成して,それに基づいて同定を多数回実行してその平均と標準偏差によって同定精度を評価する方法である.この方法は,シミュレーション実験ができない実システムの評価に有効である.予備的な結果は,第33回確率システムシンポジウム(2001年10月)で発表した.
|
-
[Publications] T.Katayama: "A Subspace Identification of Deterministic Part of State Space Model Operating in Closed Loop"Proc. European Control Conference 2001, Porto. 2505-2510 (2001)
-
[Publications] T.Inoue: "A Comparison of Two Identification Methods for Closed Loop System"Abstracts. 33rd ISCIE Int. Symp. Stochastic Systems Theory and its Applications, Ashikaga. 85-86 (2001)
-
[Publications] T.Katayama: "A Subspace Identification of Closed-Loop System by Orthogonal Decomposition Method"Proc. 40th IEEE Conference on Decision and Control, Orlando. 3922-3923 (2001)