2003 Fiscal Year Annual Research Report
状態推定フィードバックディジタル制御器の最適合成に関する研究
Project/Area Number |
13650489
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
雛元 孝夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50031141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棟安 実治 関西大学, 工学部, 助教授 (30229942)
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Keywords | ディジタル制御器 / 状態推定フイードバック / 丸め誤差 / ダイナミックレンジスケーリング / 閉ループシステム / 誤差フィードバック / 座標変換 / 同時最適化 |
Research Abstract |
制御対象を線形離散時間システムによって記述した場合において,状態オブザーバを用いたレギュレータを設計し,これらから構成された状態推定フィードバックディジタル制御器を固定小数点による有限語長表現で実現したとき,閉ループシステムの出力に,積和演算結果の量子化誤差に起因した雑音が発生する.状態推定フィードバック閉ループシステムを対象に,ディジタル制御器内の積和演算結果の量子化誤差に起因した出力雑音を低減する研究については,ディジタル制御器の座標変換行列を最適に選ぶことによって,L2ノルムのスケーリング制約条件の下で出力雑音を最小化するディジタル制御器の最適実現に関する研究が行われている.ディジタル制御器に誤差フィードバックを施して出力雑音を積極的に低減する研究もある.L2ノルムのスケーリング制約条件の下で,出力雑音を最小化するように,座標変換行列と誤差フィードバック行列を同時に最適化すれば,出力雑音がより小さくなることが期待される. 本研究では,状態推定フィードバック閉ループシステムを対象に,ディジタル制御器の丸め誤差をフィードバックし,フィードバック係数行列と座標変換行列を同時に最適化することによって,閉ループシステムの出力雑音を最小化する問題について論じており,その解法を開発している.ここでは,最初に,状態推定フィードバック閉ループシステムを記述している.次に,ディジタル制御器に誤差フィードバックを導入し,閉ループシステムの出力雑音を最小化する,誤差フィードバック係数行列とスケーリング制約条件を満たす状態空間の座標変換行列の同時最適化による設計法を提案している.最後に,数値例を用いて提案された設計法の有用性を確認している.
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Research Products
(1 results)