2001 Fiscal Year Annual Research Report
遅延フィードバックによるロバスト安定化設計とその応用
Project/Area Number |
13650494
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小亀 英己 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60026341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 啓治 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90259911)
平田 健太郎 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00293902)
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Keywords | 遅延フィードバック / 安定化 / 台車-倒立振子系 / 微分フィードバック |
Research Abstract |
本研究の目的は、カオス制御の分野で提唱された遅延フィードバック制御の効果をシステム制御論の立場から解明するとともに制御系設計法を確立し、工学的諸問題への適用可能性を探ることである。申請者らはこの制御法がロバスト性の点でも優れた特質をもっていることから、その安定化能力に興味をもち、不安定極が偶数個である場合は安定化が可能であること、また奇数個の場合でも、不安定極を1つもつ補償器を導入すれば安定化可能であることなどを見出した。今年度は上記の成果を出力観測の場合に対して検討し、状態観測の場合に比較した。可観測条件などのもとで安定化の実現が、微分動作を差分動作で置き換えることにより可能であること、逆に多入力・多出力系の場合では,このような簡単な置き換えでは安定化できない場合があることを発見した。 応用として、曲面上に置かれた台車-倒立振子系の遅延フィードバック制御による安定化実験を実施する計画であるが、本年度は制御系設計のためのソフトウェア整備とシミュレーションによる検討を行った。設計の指針は、まず安定化微分フィードバックの設計を行い、補足的に時間遅れの導入により、総合特性の改善を図るというもので、性能基準を満足するコントローラを得るために、線形行列不等式を用いた計算可能な表現を検討した。導入を検討していた倒立振子が受注生産品であったこともあり装置の納入が遅れたため,実験に関しては未だこれからという段階である。次年度の早い時期に任意曲面上を走行する台車-振子系の実験に着手する計画である.
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