2001 Fiscal Year Annual Research Report
月・惑星探査のための超音波振動子を利用した科学観測支援システムに関する研究
Project/Area Number |
13650496
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
國井 康晴 中央大学, 理工学部, 助教授 (60297108)
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Keywords | 惑星探査 / ローバ / マニピュレータ / 超音波モータ / 超音波振動子 / 宇宙ロボット |
Research Abstract |
月、惑星表面において、無人探査機を用いて地質探査を行う際、表層に存在する岩などのサンプルを採取し、観測機器で分析することが要求される。サンプルは、レゴリスに埋もれているか、表土上に存在してもレゴリスが付着していることが考えれる。また、長い間の太陽風、宇宙線などの影響により表面が汚染されていると予想される。このため、採取したサンプルは、各観測機で分析する前に、磨く、削るなどの前処理を施す必要がある。以上より、本研究では、地質サンプルを周辺から採取するための探査機搭載型マニピュレータの研究開発およびサンプルの観測前の準備加工技術に関して研究を行う。 本年度は、サンプル採取のための小型軽量マニピュレータの開発を行った。シミュレーションによるサンプル採取作業において、マニピュレータの各関節が採取作業中の約半分の時間、停止していることがわかった。しかし、一般的に、この停止時間中も姿勢維持のためにエネルギを消費し続けなければならない。これに対して、我々は、超音波モータを用いることを提案し、マニピュレータを構成した。超音波モータは、摩擦を駆動原理とするため大きな静止トルクが存在し、非常に軽量であるため、各関節のユニットを軽量化することが可能となった。先端部への重量配分を減少させた結果、全他として大きな可搬重量を維持したまま軽量化が可能となった。また、構造部材に超音波モータを直接組み込み軽量化を図った。開発したマニピュレータは、エネルギ供給なしで姿勢維持が可能であり、各関節の時分割制御が可能である。さらに、先端部にサンプル採取用のエンドエフェクタを開発し搭載した。 次に、超音波振動子の宇宙における利用可能性を検討するため、超音波モータを用いて環境試験を行い、課題の確認を行った。その結果、真空環境に関して課題があることが判明し、来年度の課題とした。また、本年度は、サンプルのコアリング方式に関して検討し可能性に関して議論を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Kunii, K.Tada, Y.Kuroda, T.Kubota: "Micromanipulator with Lightweight and Low Power Consumption by using Ultra-Sonic Motor for Planetary Explore Mission"Proc. of 10th International Conference on Advanced Robotics 2001. 457-462 (2001)
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[Publications] 國井康晴, 多田興平, 山下巧: "超音波振動の宇宙利用とローバ搭載マニピュレータ"第19回日本ロボット学会学術講演会予講集. (2001)
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[Publications] 國井康晴, 多田興平, 山下巧, 黒田洋司, 久保田孝: "超音波モータを用いたマニピュレータの小型・軽量・省電力化"第45回宇宙科学技術連合講演会. (2001)