2001 Fiscal Year Annual Research Report
扁平箱桁橋断面の非定常空気力算出のための数値流体解析と風洞実験に関する研究
Project/Area Number |
13650532
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸岡 晃 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助手 (30310973)
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
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Keywords | 矩形柱断面まわりの流れ / 静的空気力 / 数値流体解析 / PCクラスター並列計算機 / 傾斜角特性 / 非定常空気力 / 振幅依存性 / 超偏平矩形断面 |
Research Abstract |
本研究では、数値流体解析(CFD)により偏平箱桁断面の非定常空気力を算出するために、平成13年度は、まず、解析専用のPCクラスター型並列計算機システムの製作を行た。これと平行して耐風工学の上で基本的な断面とされる矩形断面の数値流体解析(CFD)を実施し、数値流体解析(CFD)に残された問題点の洗い出しを行った。実際に解析した断面は、断面辺長比B/D=0.5ならびにB/D=150であり、静的な空気力を中心とした。具体的には以下の結果が得られた。 1.B/D=0.5矩形柱断面の解析 本矩形柱は、風の傾斜角によって揚力,抗力,ストローハル数の特性が急変することが風洞実験により指摘されている。代表的な現象としては,断面の長辺が風軸直角方向から反時計回り方向に回転するのを風の傾斜角をβとすると、β=23°でストローハル数にピークが見られ、またβ=88°で2つのストローハル数が現れるとされている。このようなことから、本研究ではこの断面を用いて種々の風の傾斜角の基での静的空気力特性に関する数値流体解析を行い、風洞実験で得られている結果との比較により静的な流れの場及び空気力の傾斜角変化を忠実に再現できるかを検討した。 本研究の結果、風の傾斜角の違いにより流れの状態が変化する矩形柱断面の静的空気力特性を数値流体解析によりほぼ再現することができた。 2.B/D=150矩形柱断面の解析 物体に作用する非定常空気力は、非定常空気力係数によって評価される。この非定常空気力係数は、振幅依存性を考慮していないことから、振幅依存性がないという仮定で表されている。しかし、宇都宮らの風洞実験によると超偏平な矩形断面において高風速域側で振幅依存性が生じる事が指摘されている。よって、本研究では数値流体解析によりまず静的空気力係数を算出し、風洞実験結果で指摘されている振幅依存性について数値流体解析の面から確認することを検討した。 本研究の結果、風洞実験で指摘された通り、迎角8°付近から揚力係数がフラットになる現象を掴むことができた。振幅依存性が存在しない場合は、揚力係数の勾配が線形に増加するので、振幅依存性が存在する可能性を示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平野廣和, 丸岡晃: "数値流体解析による断面辺長比2:1矩形柱の風の傾斜角による空力特性"第56回 土木学会年次学術講演会講演概要集. I-B. 706-707 (2001)
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[Publications] 丸岡晃, 渡邊茂, 平野廣和: "偏平矩形断面の非定常空気力に関する数値流体解析"第56回 土木学会年次学術講演会講演概要集. I-B. 708-709 (2001)
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[Publications] 平野廣和, 丸岡晃: "数値流体解析による断面辺長比2:1矩形柱の空力特性について"第51回 理論応用力学講演会講演論文集. 329-330 (2002)
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[Publications] 平野廣和, 丸岡晃, 渡邊茂: "数値流体解析による断面辺長比2:1矩形柱の風の傾斜角による空力特性について"構造工学論文集. 48・A. (2002)
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[Publications] 樫山和男, 玉井典: "非構造格子に基づく大規模非圧縮性粘性流れ解析のための超並列計算法"土木学会論文集. 668・I-54. 43-53 (2001)
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[Publications] 桜庭雅明, 田中聖三, 樫山和男: "PCクラスタを用いたALE並列有限要素法による非線形自由表面流れ解析"応用力学論文集. 4. 113-120 (2002)