2001 Fiscal Year Annual Research Report
変動荷重が作用する鉄筋コンクリートはりおよび版の耐荷力と振動影響に関する研究
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13650533
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木田 哲量 日本大学, 生産工学部, 教授 (90059816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤野 利章 日本大学, 生産工学部, 助教授 (20196330)
阿部 忠 日本大学, 生産工学部, 助教授 (80060218)
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Keywords | せん断傾斜角 / せん断特性値 / RCはり / 走行荷重 / 変動荷重 / 曲げ耐力 / 衝撃係数 / 動的影響 |
Research Abstract |
平成13年度は、次の成果を得た。 1.コンクリートの材料特性試験 RCはりや版のせん断応力度の算出における現行示方書が規定する許容せん断応力度はかなり安全側に設定されている。そこで、RCはり・版のせん断耐荷力の理論解析を行うためにコンクリートの圧縮強度が20N/mm^2〜120N/mm^2までの管理供試体を用いて、圧縮試験および一面せん断試験から圧縮強度に対応したコンクリートの実せん断応力度を得た。 2.鉄筋コンクリート(RC)はりの実験 RCはりに(1)静荷重載荷実験、(2)走行荷重載荷実験、(3)一定荷重による走行実験、(4)変動荷重による走行実験を行った。その結果、静荷重の場合の耐荷力に対して走行荷重の場合の耐荷力が16%低下する結果を得た。その破壊メカニズムは、静荷重載荷の場合は50°〜60°の拡がりを持つ曲げ破壊となり、走行荷重載荷の場合ははりの支間全体にわたり約15cm間隔でひび割れが発生し、走行と荷重増加を繰り返すことにより、せん断領域には斜めひび割れも発生するが、最終的には支間中央で走行中に曲げ破壊となった。 一方、一定荷重による走行実験と変動荷重(振動荷重)による走行実験では、変動荷重が及ぼすことによる耐荷力の低下はほとんど見られない。しかし、変動荷重となる振動数と走行速度がひび割れ間隔に影響を与え、それによって曲げ剛性の低下も著しくなる。また、変動荷重となる基準荷重に対する荷重振幅の大きさにより衝撃係数も大きくなり、本実験では荷重振幅が±21%以上作用した場合は現行示方書に規定する衝撃係数を大きく上回る結果となった。そこで、RCはりに変動荷重が作用した場合の動的影響係数を評価し、現行示方書に規定する道路橋RC床版の設計曲げモーメント式に変動荷重を考慮した設計活荷重モーメント式を提案した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tadashi ABE, Tetsukazu KIDA, Toshiaki SAWANO etc.: "Flexural Load-Carrying Capacity and Failure Mechanism of RC Beams with Low Effective Depth under Running Wheel-Load"MATERIALS SCIENCE RESEARCH INTERNATIONAL. VOL. 7,No. 3. 186-193 (2001)
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[Publications] 阿部 忠, 木田哲量, 澤野利章 他: "走行振動荷重試験装置の性能検証に関わるRCはりの走行実験研究"日本大学生産工学部研究報告A (理工系). 第34巻,第2号. 1-10 (2001)
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[Publications] 高野真希子, 木田哲量, 阿部 忠 他: "圧縮載荷によるコンクリートの実用せん断強度決定法に関する研究"日本大学生産工学部研究報告A (理工系). 第34巻,第2号. 11-18 (2001)
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[Publications] 高野真希子, 木田哲量, 阿部 忠 他: "コンクリートの圧縮応力場におけるせん断強度と一面せん断強度との多要因相関に関する研究"セメント・コンクリート論文集. NO.55. 232-237 (2001)
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[Publications] 阿部 忠, 木田哲量, 澤野利章 他: "動的影響を考慮した鋼道路橋RC床版の曲げモーメント"構造工学論文集. Vol.48A. (2002)