2002 Fiscal Year Annual Research Report
岩石破壊時に発生する電位差を用いたクリープ破壊の予測
Project/Area Number |
13650555
|
Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
赤木 知之 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90006685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 孝 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (50193496)
|
Keywords | 岩石の力学特性 / 電位発生特性 / AE発生特性 / 長期強度 / クリープ破壊 |
Research Abstract |
本研究の目的は、山はね現象のような突然起こる破壊を予測することにある。電位の一つの特徴は変位計測より明確に破壊現象を把握することができると思われ、山はね予測などに大変重要な計測手法になりうると位置付けることができる。本研究では、結晶から岩石までの様々な岩質材料を対象として、変形過程における電位差の変化に関する実験を行った。その結果、岩質材料の破壊とすべりによっても電位差の発生が見られることが明らかになった。さらには、圧電鉱物を含まない岩石においても電位差の発生を観測した。破壊との関係を明確にする為に、AEの計測も行い、電位差のパルス的な増加(SES)が岩石の破壊や不連続面の進展と密接な関係にあることを確認した。 実験結果から明らかになった知見を以下に示す。 ・実験結果から、岩質材料の変形や破壊およびすべり変形時に電位差が発生することが明確になった。また、圧電鉱物を含まない岩石においても電位差の発生が観測された。 ・発生する電位差の大きさは、鉱物の圧電効果特性、および変形やすべりによって生じる運動量の大きさに依存する。 ・最大の電気信号は、一軸圧縮強度の75-85%の応力レベルで観測された。このレベルは大まかに言って岩質材料の進行性破壊が始まるレベルと考えられ、このことから、電位発生挙動と進行性破壊との関連が予想される。 ・クリープ破壊前にAEの発生が観測されているが、その時点かそれ以前に電位差の変化が現れることが明らかになった。このことより、電位差計測がAEに代わる破壊予測手法になりうるということが証明されたと考える。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 伊東孝, アイダン・オメル, 赤木知之, 川本眺満: "岩質材料の変形に伴う電位発生に関する実験的研究"第32回岩盤力学に関するシンポジウム論文集. 89-94 (2003)
-
[Publications] 佐藤潤, 伊東孝, 赤木知之: "岩石の変位に伴う電位差発生特性を用いた破壊予測"土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 313-314 (2003)