2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650562
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
谷本 勝利 埼玉大学, 工学部, 教授 (90240697)
|
Keywords | 航走波 / 河川水路 / 長周期波 / 最大波高 / 砕波 / ブシネスク方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は河川のような狭くて浅い水路に対象を絞り、航走波の性質を明らかにし、河川舟運等の安全で円滑な普及に資することである。具体的には、舟運の比較的盛んな新河岸川・隅田川および荒川下流の水路を対象として、航走波の現地観測を行うことによって実体を把握するとともに、任意条件での航走波を数値シミュレーションで計算できるよう展開し、水域や水辺での航走波の性質を明らかにすることである。そのため、平成13年度には、これまでの新河岸川での観測に続き、川幅が広く、自然河川に近い荒川において新たに現地観測を行うとともに、数値計算によって航走波の浅水・屈折変形を検討し、さらに砕波や遡上を含めた数値計算法を検討した。 現地観測は勾配1/30程度の傾斜河岸が形成されている地点で、水深10〜50cmの領域に波高計3台と流速計1台を設置して行ったもので、水上バスを主たる対象として合計10の航走波の記録を得ることができた。水深フルード数は0.4〜0.7の範囲である。航走波の記録に対し、周波数解析と時系列解析を行った結果、先駆波として周期40〜60sの長周期波が卓越し、後続波として周期2〜4s程度の短周期波が卓越すること、航走線から100m以上離れた岸辺近くにおいて長周期波の波高は大きいときで20cm程度、後続波の最大波高は50cm程度になることなどを明らかにした。 一方、数値計算については、断面の一方が一様斜面の水路を対象として、航走波の浅水・屈折変形の特性を明らかにするとともに、砕波・遡上の計算法を検討し、荒川の現地観測地点を対象とした数値計算を行った。結果は最大波高の水深による変化傾向は合うものの、波形についてはさらに数値計算法の改良が必要であることが明らかとなった。
|
-
[Publications] Katsutoshi Tanimoto: "Ship waves in shallow water-Their propagation and transportation-"Proc.First Asian and Pacific Coastal Engineering Conference. 648-657 (2001)
-
[Publications] 谷本勝利: "航走波の浅水および屈折変形"海洋開発論文集. 17. 25-30 (2001)
-
[Publications] Eldina Fatimah: "The influence of river current on waves generated by ship sailing in straight rectangular channel"Proc.10th Scientific Meeting, Indonesian Students Association in Japan. 224-227 (2001)