2002 Fiscal Year Annual Research Report
ITSを活用した効率的かつ環境に優しい都市物流システムに関する研究
Project/Area Number |
13650584
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷口 栄一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70252468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 忠史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80268317)
倉内 文孝 京都大学, 工学研究科, 助手 (10263104)
宇野 伸宏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80232883)
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Keywords | 物流 / 交通計画 / ITS / 所要時間情報 / 配車配送計画 |
Research Abstract |
研究2年度の平成14年度においては,以下の2点について研究を行った. (1)リアルタイムの所要時間情報を考慮した動的配車配送計画のモデル化 高度道路交通システム(ITS)の発達によって、リアルタイムの所要時間情報を入手できるようになった場合を想定した。リアルタイムの所要時間情報をオンラインで提供されたときに、実際に運行している集配トラックの配車配送計画を動的に変更して最適化する手法を開発した。一般に貨物の配送時には、トラックの顧客への割り当てを変更することは困難であるので、配送ルートのみの変更を考えた。貨物の集荷時には、トラックの顧客への割り当ておよび配送ルートも変更できるようなモデルを構築した。このモデルにおいては、時間帯毎の所要時間の変動に応じて、最適配車配送計画を変更できるようになっている。なお,最適配車配送計画の変更のための計算時間は,非常に短時間であることが要求されるため,高速で最適解を求めるための方法として、遺伝的アルゴリズムを用いた。 (2)高度道路交通システム(ITS)を活用した効率的かつ環境に優しい都市内物流システムの構築 (1)で開発したモデルを仮想道路ネットワークに適用し,ITSによるリアルタイムの所要時間情報を用いて動的な最適配車配送計画を実行した場合の物流コスト削減効果,総走行時間などの交通混雑改善効果について、ITSがない場合と比べて評価を行った.その結果、リアルタイムの所要時間情報を用いて動的な最適配車配送計画を実行した場合には、そのような情報がない場合に比べて、物流コストが削減されるのみならず、総走行時間も削減されることがわかった。総走行時間の削減は、交通混雑の緩和や交通環境改善につながる。したがって、リアルタイムの所要時間情報を用いることによって、物流事業者にとって便益があるのみならず、交通混雑の緩和や環境改善という社会的な便益も発生することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Taniguchi, E., Yamada, T., Tamaishi, M.: "Modelling dynamic vehicle routing and scheduling with real time information on travel times"Transportation and Traffic Theory in the 21^<st> Century, Pergamon. No.15. 329-347 (2002)
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[Publications] Taniguchi, E., Thompson, R.G.: "Modelling City Logistics"Transportation Research Record---Journal Transportation Research Board. No.1790. 45-51 (2002)
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[Publications] 谷口栄一, 島本寛: "ITSを活用したトラックの動的配車配送計画に関する研究"第1回ITSシンポジウム論文集. 31-36 (2002)
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[Publications] 谷口栄一, 島本寛: "リアルタイム所要時間情報を活用したトラックの動的配車配送計画に関する研究"第26回土木計画学研究・講演集. Vol.26(CD Rom). (2002)
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[Publications] Taniguchi, E., Thompson, R.G.: "Innovations in Freight Transport"WIT Ress. 203 (2002)