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2002 Fiscal Year Annual Research Report

底生動物相から見た多自然型河川改修工事手法の評価に関する研究

Research Project

Project/Area Number 13650594
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

海田 輝之  岩手大学, 工学部, 教授 (30117072)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 歩  岩手大学, 工学部, 助手 (90312511)
Keywords多自然型工法 / 河川改修工事 / 底生動物 / 評価
Research Abstract

昨年度に引き続き多自然型工法によって河川改修工事が行われている岩手県北部を流下する雪谷川と工事が終了している岩手県何分の宮守川で調査を行った。
雪谷川では年4回(春、夏、秋、冬)、流下方向に11地点において、水質、流量、底生動物を測定し、これまでに得られている種々のデータと比較した。工事の直接的影響として局所的にSSとオルトリン酸態リン濃度が高い地点があり、リンは土砂中から溶出したものと考えSSとリン濃度の相関をとったが、相関係数はさほど高くなかった。その他の水質項目については、改修工事の顕著な影響は見られなかった。河川改修工事により、水生昆虫の個体数は一時的に激減し、工事期間や工事期間が短い護岸工事のみの地点では、終了後3ヶ月経過した時点で工事前の同じ季節の状態に回復したが、工事終了後も直上流や直下流で工事が行われている地点や工事期間が半年以上と長い地点等では工事終了後8ヶ月を経過しても工事前の状態には回復しなかった。また、工事前の優占種(シマトビゲラ属)の回復は早く、非優占種のせき翅目やエルモンヒラタカゲロウ、ヘビトンボ、アミカ科等は工事終了後8ヶ月を経過しても回復しなかった。工事終了後の水生昆虫の遷移を生活型に見ると、一般に言われている掘潜型→匍匐型→造網型と遷移した地点と、匍匐型が少ない地点に分けられた。これは上流部の工事地点からの細粒土砂の供給により石レキ面に捕まって移動する昆虫の生息を妨げるためと考えられた。
宮守川では、河畔林の影響を見るため、上記の測定項目に付け加えて流下有機物量、河床堆積有機物量および付着藻類等の測定を行った。その結果、流下有機物量は上流の渓流部では高かったが、中流部の河畔林を流下する地点ではさほど多くなかった。水生昆虫のShannonの多様性指数は上流部では3以上で大きく、流下に伴い低下し、中流部の河畔林を過ぎる地点から若干増加する傾向にあった。また、上流部では様々な摂食機能を有する水生昆虫がバランス良く存在し、Grazerが増え、下流部ではCollectorが増加する傾向があり、中流部の河畔林で若干Predatorが増加した。付着藻類量はコカゲロウが優先する地点で少なく摂食によるものと考えられた。
次年度は引き続き調査を継続するとともに、河川改修工事のあり方について検討する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 伊藤歩, 石毛孝慈, 佐々木貴史, 相澤治郎, 海田輝之: "河川改修工事後における水生昆虫相の回復過程の評価について"環境工学研究論文集. 39. 449-458 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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