2002 Fiscal Year Annual Research Report
芯鉄骨合成柱とRC梁で構成された骨組の弾塑性挙動と構造性評価法に関する研究
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13650631
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堺 純一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (30215587)
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Keywords | 十字形架構 / 耐震性能 / 変形能力 / 支圧破壊 / 芯鉄骨挿入条件 |
Research Abstract |
芯鉄骨を鉄筋コンクリート(以下RC)断面の中心に挿入した芯鉄骨合成柱材とRC梁で構成された混合構造物の弾塑性変形性状について研究を行った。RC構造の梁材は主筋が密に配筋されているため、柱梁接合部内に芯鉄骨を貫通させることは非常に困難である。そこで、昨年度は芯鉄骨を柱梁接合部内に貫通させない場合の架構の挙動について実験を行い、芯鉄骨を挿入することでRC骨組の耐震性能を向上させることができることを確認したが、芯鉄骨を柱梁接合部内に貫通させないため、芯鉄骨材端部のコンクリートを支圧破壊させ、芯鉄骨の軸抵抗要素としての機能を十分に発揮させることができない場合があることを示した。本年度は芯鉄骨の挿入条件を実験変数に選び、RC架構1体を含む計4体の十字形架構試験体を製作し、載荷実験を行った。芯鉄骨の挿入条件として、1)柱梁接合部内に貫通させた場合、2)接合部内に貫通させず、接合部コンクリートの支圧破壊を防ぐことを目的に芯鉄骨端部に鋼プレートを溶接し、支圧面積を増す補強を行った場合、3)接合部内に貫通させず、芯鉄骨端部補強無しの場合、の3種類とした。載荷は、柱に一定軸力(柱の断面圧縮耐力の40%の高軸力)を載荷したのち、この荷重を一定に保持した状態で十字形架構の両梁端に地震荷重時応力に対応する荷重を正負交番で載荷した。本実験を行い、以下の結論を得た。1)芯鉄骨を柱梁接合部内に貫通させた骨組は大変形まで柱の軸力を保持でき、耐震性能に優れた挙動を示す。2)芯鉄骨を接合部内に貫通させていない骨組は層間変形角が3/00rad.程度で軸力を保持できなくなり、破壊したが、この変形角までの耐震挙動は芯鉄骨を接合部内に貫通させたものとほぼ一致しており、芯鉄骨の貫通の有無による違いはほとんどない。3)芯鉄骨端部に鋼板を溶接することで、芯鉄骨の圧縮軸力負担機能が確実に行われる。
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Research Products
(1 results)