2002 Fiscal Year Annual Research Report
組み合わせ応力の相関を考慮したRC部材の終局時変形解析モデル
Project/Area Number |
13650647
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
上原 修一 有明工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60151825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江崎 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (90127986)
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Keywords | せん断 / 降伏線理論 / 性能評価 / 組み合わせ応力 / 塑性解析 / 極限解析 / 靭性 / 有効係数 |
Research Abstract |
平成14年度の研究課題は「RC柱の変形解析モデルの提案とその検証」であった.この課題に従い,一般的な配筋の3体のRC柱について逆対称の水平加力実験を行った.その時の実験変数は,帯筋比とした.これは,これまでの研究で,破壊断面の角度は帯筋比(正確には帯筋に関する鉄筋係数)に最も影響を受けることがわかっていたからである.この実験により以下のことがわかった. 1.筆者らが提案した降伏線理論に基づく解析法により,水平強度,破壊断面角度,破壊種別(主筋降伏型もしくは主筋弾性型)の予測がほぼ可能である. 2.変形能力評価法については,鉄筋コンクリート建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説に示す「塑性ヒンジ回転角の増大に応じてせん断強度が低下すると考える」方法と同様の方法が提案できる.その際,せん断強度としては「主筋弾性型の水平強度解析値」,曲げ強度としては「主筋降伏型の水平強度解析値」,塑性ヒンジ回転角の増大に応じて有効有数が低下する式は靭性保証型耐震設計指針の式を使う. なお,その後,この方法により,日本コンクリート工学協会の選定試験体を解析したところ,かなり良い結果が得られた.また,実験の際に,破壊断面境界での相対的なせん断変形,垂直変形,回転変形を測定した.この結果については,現在解析中である. 次年度は,せん断スパン比を変えて,さらに6体のRC柱の実験を行い,降伏線理論に基づく,より理論的な変形性能評価法について検討する計画である.その際,理論的な変形評価モデルの構築と併せて,先に示す靭性保証型耐震設計指針に示す方法と同様の方法についても,比較する試験体を増して,その精度を明らかにしていく予定である.
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[Publications] 久保田真次: "組み合わせ応力の相関を考慮した降伏線理論によるRC柱既往試験体の水平耐力の解析"コンクリート工学年次論文集. vol.24,No.2. 889-894 (2002)
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[Publications] 久保田真次: "組み合わせ応力の相関を考慮した降伏線理論によるRC柱既往試験体の水平耐力の解析"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2,構造4. 401-402 (2002)
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[Publications] 上原修一: "めり込み機構に基づくRC造柱梁接合部の解析法に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2,構造4. 577-578 (2002)
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[Publications] UEHARA Shuichi: "Limit Analysis of Prestressed Concrete Piles by the Yield Line Theory Considering Interaction of Combined Forces"Proceedings of the first fib Congress 2002. Vol.B. 221-226 (2002)
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[Publications] 上原修一: "組み合わせ応力を考慮した降伏線理論によるRC柱性能評価法に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告. 第42号・1構造系. 485-488 (2003)
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[Publications] 久保田真次: "降伏線理論に基づくRC柱水平耐力解析法の簡略化に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告. 第42号・1構造系. 489-492 (2003)