2001 Fiscal Year Annual Research Report
道路特殊部における騒音伝搬メカニズムの解明と騒音予測モデルの開発
Project/Area Number |
13650649
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 慎一 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80282599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 朝直 財団法人 小林理学研究所, 副研究員 (90321661)
橘 秀樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013225)
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Keywords | 騒音伝搬 / 予測モデル / 道路特殊部 / 防音塀 / 掘割・半地下構造道路 / 数値解析 / 縮尺音響模型実験 / キャニオン効果 |
Research Abstract |
産業を支える大動脈である道路交通は社会生活に不可欠であるが、その反面、騒音等の社会問題を引き起こし、我々の生活を脅かす面を有している。特に東京およびその近郊の大都市部では膨大な交通量に起因する道路騒音が生活環境に与える影響が甚大であり、その対策立案のためにも制度の高い予測法が必要である。都市部およびその近郊においては、高密度な土地利用形態が求められるため、下記に示すような複雑な道路構造が至る所に見られる。 (1)各種形状をもつ大型防音塀、(2)掘割・半地下構造道路(防音塀併設を含む)、(3)高架・平面併設道路、(4)道路沿道に建物が密集して立地している構造(ストリートキャニオン)、(5)トンネル坑口付近、(6)高速道路インタチェンジ部分 これらの複雑構造では騒音伝搬の予測が非常に難しいが、大都市部ではその膨大な交通量によって騒音環境がただでさえ劣悪であるため、このような構造における高精度の騒音予測手法が強く求められている。上記の課題を解決すべく、本研究課題を計画したが、今年度は上記のうち、(1)、(2)および(4)について下記のような基礎的検討を行った。 各種形状をもつ防音塀の減音効果 前年度行った、各種の形状をもつ防音塀における音波伝搬のメカニズムおよびその減音効果に関する基礎的検討に引き続き、今年度はより実用的な3次元音場における効果に関する実験的検討を行った。その結果、形状の差異に伴う減音量の変化の傾向は2次元音場における解析結果と矛盾せず、ある程度の対応がとれることが分かった。 掘割・半地下構造道路からの騒音放射特性 掘割・半地下道路からの騒音放射は構造内部での多重反射の発生により非常に複雑となり、実用的な予測計算法が望まれているが、今年度新たに構造開口部付近に仮想的に等価な指向性音源を想定する方法について検討を開始した。2次元数値解を真値と仮定してに仮想点音源の諸パラメータを決定し、そのシミュレーション精度を調べたところ、道路構造周囲でよい精度で解析解を模擬でき、適用可能性が確認された。次年度は引き続き、実用的計算法の構築を目指して3次元音場における妥当性を調べる予定である。 ストリートキヤニオンにおける音波伝搬の解析 ストリートキャニオンにおけるキャニオン効果(騒音の増大)およびその対策効果について、2次元数値解析により基礎的な検討を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 坂本慎一, 橘秀樹: "非定常差分法を用いた各種道路構造における騒音伝搬の可視化"VSTech 2001騒音・音響新技術シンポジウム講演論文集. 163-166 (2001)
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[Publications] Shinichi Sakamoto, Hideki Tachibana: "Numerical study on sound propagation from depressed/semi-underground roads"Proceedings of InterNoise 2001. 2375-2380 (2001)
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[Publications] 田近輝俊, 坂本慎一, 橘秀樹: "建物練担場所における道路交通騒音の伝搬に関する検討"日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 839-840 (2001)
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[Publications] 田近輝俊, 坂本慎一, 橘秀樹: "建物連担場所における道路交通騒音の伝搬・対策に関する検討"日本騒音制御工学会研究発表会講演論文集. 337-340 (2001)
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[Publications] Shinichi Sakamoto, Takuma Seimiya, Hideki Tachibana: "Visualization of sound reflection and diffraction using finite difference time domain method"Acoustical Science and Technology. Vol.23, No.1. 34-39 (2002)