2001 Fiscal Year Annual Research Report
住宅地域における防犯性能を考慮した夜間の低照度化に関する研究
Project/Area Number |
13650659
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
乾 正雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (50016648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 茂雄 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (20262313)
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Keywords | 街路照明 / 低照度 / 防犯 / 照明方式 / 自然監視 / 照度 |
Research Abstract |
本研究は、居住者による自然監視を誘発するような照明を取り込むことによって、低照度でかつ不安を感じさせない街路照明計画を提案することを目的としている。今年度ははじめに、文献調査を行った。警察白書や大阪府警による報告書、路上人物の視認性に対する研究論文などから、屋外の街路照明においてその明るさが変化する地点でひったくりなどの犯罪が発生しやすいこと、路上人物の見え方が歩行者の不安感と密接に関係していることなどが分かった。そこで次に、路上他者に対して感じる不安感と街路照明との関係について、主として歩行者の行動を軸として検討することとした。東京近郊の住宅地域の街路上に1名の男性実験者を立たせ、その実験者に対して一般の歩行者がどのように進路を避けるのかを観察した。観察は、道幅や街路照明、周辺環境などが異なる状況に対して行った。その結果、歩行者が路上人物を避ける行動は、周辺建物に窓明かりや玄関灯などがなく、街路灯による照度が低い状況で顕著であることが分かった。次に街路灯の影響をより詳細に調べるため、街路を2箇所に固定し、その街路上の人物の顔面鉛直面照度などを変えた状況において、一般歩行者の歩行行動を観察した。また、学生被験者を用いて、路上人物の顔面の視認性と、不安を感じる距離などを把握するための実験を行った。以上の結果を分析することにより、路面照度や路上人物の顔面鉛直面照度と、路上人物に対して不安を感じる距離や路上人物を避ける距離などについてのおおまかな関係を導き出した。
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