2004 Fiscal Year Annual Research Report
住宅給湯システムにおける長期実測と年間シミュレーション
Project/Area Number |
13650660
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岩本 靜男 神奈川大学, 工学部・建築学科, 助教授 (20213316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 武士 神奈川大学, 工学部, 助手 (90333153)
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Keywords | 住宅用給湯設備 / 戸建住宅実測 / 使用給湯量 / 使用湯温 / ガス瞬間式給湯機 / ガス消費量 / 数値計算 |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画は、(1)計測データの蓄積、年別解析、用途別の使用湯温・給湯量の再整理、追焚・自動保温の消費エネルギー予測法の検討、(2)実測対象の給湯機の計測データを用いた給湯機計算モデルの構築、(3)給湯配管と給湯栓の計算モデルの組み込み、他の熱源による消費エネルギーの検討、の3点である。 (1)長期計測結果の整理:(1)実測結果より浴槽の湯張りと追焚・自動保温を区別する計算法を確立して解析を行った。特に追焚をはじめる前に呼び水を出湯しているので、これを「給湯」と扱わないように変更した。平成14年10月〜16年9月の1年間で、給湯消費エネルギー全体の約20%が追焚・自動保温に使われており、既往の研究成果と概ね同程度であった。(2)計測結果より、浴槽・シャワー・カラン、台所、洗面所の各用途の給湯湯温を整理した。かなりの季節差が見られ、さらに解析を続ける必要がある。(3)追焚・自動保温による消費エネルギーの予測法の検討では、給湯機の熱源効率に大きく依存することがわかり、給湯時同様の計算モデル化が必要であることがわかった。(4)給水温・給水量の計測に不具合が見つかり、対処中である。 (2)給湯機のモデル化と検証:最も詳細なガス給湯機の計算モデルを用いて、実測対象住戸の実機をモデル化した。多少のチューニングを要したが、1給湯行為でおよそ1%以内の誤差に抑えることができた。実使用に応じた計算では頻繁に給湯栓の開閉が行われるため、計算モデルを洗練して対応できた。 (3)給湯配管システムと熱源のモデル化:(1)平成14年10月〜平成15年9月の計測データと給湯機計算モデルに配管システムの計算モデルを組み込んで、年間シミュレーションを実施した。(2)他の熱源として、電気ヒータと貯湯槽による電気温水器の計算モデルを構築し、同等の条件で年間シミュレーションを実施した。特に電気温水器の場合は沸上温の設定で効率が5〜15%程度異なることがわかった。 本研究の骨子である、長期計測結果の整理・年間シミュレーションの2点について、4年間の研究成果により、概ね実現できたものと思われる。これらの研究成果の公表を図ると同時に、既往の研究で見られる各種の給湯スケジュールに基づく計算法、実測対象住戸と異なる配管システムの場合の対応、太陽熱利用などの計算法などを組み込み、さらに汎用化を図る必要があると思われる。
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